
岩本貴志
D800EからD850への世代交代!「ミラーレスを選ばなかった理由とは?」
Updated: Jul 6, 2022

D850正面、レンズマウントの後ろにはミラー
今回は、長年使っていたニコン、D800EからD850へのメインカメラ交換、世代交代についてお話しします。
ミラーレスにするか、一眼にするかで迷っている方のカメラを選ぶ参考になれればと思います。
コンテンツ
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はじめに
ニコンからはボディー内手振れ補正を搭載したフルサイズミラーレスZ7がすでに存在する。
ミラーレスカメラが全盛になりつつある昨今であるが、ミラーレスのZ7を写真を撮るためのメインカメラとして購入するという考えは一切無かった。
現在管理人はミラーレスとしてはパナソニックのGH4を使っているが、それは主に動画用として。
写真用にはもっぱらニコンの一眼レフカメラを使用している。

一眼レフのファインダー、愛機 D800E
さて、パナソニックのGH4を使っている経験を踏まえ、一眼レフを選んだ理由について、一眼レフのメリット、ミラーレスのデメリットを管理人の独断と偏見で一つ一つ挙げていく事にする。
1、目への負担
ミラーレスは目への負担が大きく、視力を落とす事になりそうだと感じたから、
僕自身、野鳥や野生動物の撮影が多い撮影柄、シャッターチャンスに備えて、数分から数十分と、ファインダーをずっと覗き続ける事がけっこうある。
ファインダーの中の液晶画面を長時間にわたって凝視するのはけっこうきつく非常に眼が疲労する。
一眼レフであれば、輝度も自然の見たまんま、長時間覗き続けても目の疲労はほとんど無い。
以前、数ヶ月に渡りタンザニアのセレンゲティで野生動物の撮影をしていた時の事である。
当時殆どが動画での撮影、その時はファインダーの液晶画面を朝から晩まで覗き続ける日が続いていた。そんな長時間液晶画面を覗き続けていると当然の事ながら目が疲労する。
そんな疲れが重なってくると左右の目の見え方に変化が出てきたのだ。
夕暮れ時から暗くなる時間帯に顕著に現われるようになった。
普段であれば左右の眼の見え方はすぐに補正され同じ様に見えるもの。
疲労が重なると、その補正がされず、左右の眼で見え方が違ってきたのだ。
左右で見え方が違うのは、ものすごい違和感。
効き目が左目、ほとんど左目で液晶を覗いたのが原因だ。
どう違って見えるかというと、片目が明るく見え、その逆が暗く見える。
普通に考えると、こき使って液晶画面を見続けた眼のほうが暗く見えると思ってしまうがそうでは無かった。

こんな感じで見えるようになっていた
液晶画面を覗いていなかった眼が暗く見える
夜だけでなく昼間でも右目と左目とで色とコントラストが違って見えるようになった。
こちらは液晶画面を覗きこき使っている目が、コントラストが低く、色が薄く見えるようになった。
当時はファインダーを覗く目を変えて左右でバランスを取って同じように見えるようにし何とか対応した。
撮影以外の時はコンピューターなどの液晶画面を出来るだけ避けて、なるべく眼を休めるようにし、ビタミンAの補給としてニンジンをよく食べた。
その甲斐あってか、眼は元通りに復活、撮影は続行する事が出来た。
ファインダーを覗いている効き目が白内障になっってしまったというビデオカメラマンの知り合いがいる。
当人は「ファインダーをいつも覗いていたので白内障になってしまった」といっていた。
その後、手術し完治。
自身の経験からも液晶を至近で見続け、白内障になってしまう危険があるかもしれないという事もうなずける。
液晶画面を覗き続けるのは動画では致し方ないが、出来るだけ避けたいもの。
写真撮影でまでそんな危険、そんな悪夢は繰り返したくないと感じた。
今時の一眼デジカメ、その殆どの機種にライブビューも備わっているので、普段は一眼ファインダーを使い、液晶が使いたい時や使ったほうが有利な時は一眼付属のライブビューを使えばいいと思った。
太陽なんかの超高輝度の被写体は別にして、一眼レフカメラのファインダースクリーンに映写される映像は、実物が光学的に投影されているものなので見続けても眼への負担は非常に少ない。
目は大事に、末永く良い状態で使いたいたいと思ったのが一眼レフを選んだ最も大きな理由だ。
2、ファインダーの明るさ
ミラーレスの液晶の場合、昼間の炎天下や、夕暮れ時の暗くなる時間帯、外の世界と液晶画面に映し出される映像との輝度差はかなり大きくなる。
特に暗い時間帯にファインダーを覗いている目は焼けてしまい、ファインダーから目を離しても外の世界を見ると、ま暗闇、ほとんど何も見えなくなってしまう。
そんな状況になれば、野鳥や野生動物など動く被写体を見失う原因になってしまう。

暗闇に慣れた目でファインダーを覗くと、一瞬こんな感じで見える (GH4)
ファインダーの明るさに、目は直ぐに慣れるが、暗闇にはなかなか慣れない。
逆に真昼間の明るい状態でも、液晶画面を覗いた瞬間、液晶が暗く感じよく見えず、慣れるまでに多少の時間がかかる。
液晶画面は、外の明るさに合わせて明るさを変化させる機能もあるが、一眼スクリーンには遠く及ばない。
一眼レフのファインダースクリーンに投影される画像は、暗い夜でも、真昼間でも外の明るさに完全に比例し一致するので見やすく、白飛びすることもなければ、黒つぶれする事も無い。
自らの眼も、常に撮影準備は出来ている状態となる。
暗がりで、せっかく暗さに慣れた眼を焼いてしまう心配は全く無いのだ。撮影情報はちょっと目障りだけど。
3、暗がりのファインダー像
ミラーレスファインダーには、暗いところでも良く見えるようにシャッター速度を遅くして表示する機能があったりする。
その像は静止していればそんなに問題ないのだが、動いていれば軌跡となって表現されてしまう。
画面の中の画像も、構図を合わせるために動かす度に奇跡となって表示されるので、構図をあわせるのがちょっとやりづらい。
また、暗部の黒つぶれとノイズもまた醜い。
一眼レフファインダーは常に見たまんま、軌跡になって表現される事も無い。
暗がりでの流し撮りなんかする時、ミラーレスは一眼レフに遠く及ばない。(現状)
液晶画面のメリット
悪い事ばかり書いたが、もちろんメリットもある。
肉眼で見えないほど暗いものを写し出してピント合わせが出来たり、拡大表示して、星の撮影でのピント合わせをしたり、また広角レンズでの厳密なピント合わせが出来たりと、いろいろなメリットがあるのもまた事実。
天体写真に確実にピント合わせの出来る、液晶画面は、今では無くてはならない存在だ。
やはり液晶ライブビューと一眼スクリーンの両方使い分け、おいしいとこ取りが出来る一眼レフに軍配が上がる事になる。
今の一眼、液晶でも表示され、ミラーレスと同様に使えるので、一眼ハイブリッドカメラといっても良さそうだ。
4、電池のもち
一眼レフは電源を入れっぱなしでもすこぶる電池が持つ。
動物や鳥などの被写体との長期戦になっても電池の事は殆ど気にせず、電源を入れっぱなしで撮影に集中出来るメリット。
一眼レフはファインダーは覗けばいつでも撮影可能状態。とにかく思いがけない瞬間に強い!電源がOffの状態でも、電源を入れればすぐに撮影出来る。
ミラーレスだと電池の節約のために、スタンバイ状態にするのが普通、常に電源オンの状態が理想なのだが、それでは電池は消耗してしまう。
ミラーレスがスタンバイ状態の時、液晶画面はOFF、真っ黒で何も見えない。
いざ撮影したい瞬間、立ち上がるまでの時間、一瞬ではあるけれど、数カット撮り逃す事につながってしまう。
また、頻繁に行なう電池交換、その電池交換をしている時間も全く無防備になってしまう瞬間。
そんな電池交換も一眼レフよりも頻繁に行なう必要が生じる。
電池が充電出来ない状況、例えば山の縦走や滞在など、にはまたその電池の持ちがいい一眼レフが有利になる。
電池のもちの悪くなる冬場だとなおさらだ。
5、瞬発力
すぐに何か撮影したい時、電源がオフであっても一眼レフは電源を入れた瞬間、すぐに撮影を開始する事が出来る。
ミラーレスだとそんな時、電源を入れて立ち上がりに多少時間がかかるので最初の数カットを撮り逃す事につながってしまう。
まず立ち上がるまで、液晶は真っ暗、シャッターはおろか、構図さえ合わせられない。
これは上の4、とダブっているかな。
ただこれらの事、以前と比べると一般的に使用する分、最近のカメラ、全く問題ないレベルになっているようだ。
6、一瞬の遅れ、タイムラグ
液晶画面、以前と比べるとその遅れ、タイムラグは非常に少なくなっているが、一瞬事象から遅れた世界が液晶画面に映し出される。
ミラーレスの液晶に写っている映像は一瞬昔の過去、どんなに瞬間的ににシャッターを切ったとしても、その瞬間は一瞬遅れているのだ。
タイムラグが全く無い一眼レフと比べるとやはり不利になる。
さらに、液晶画面は秒間30コマ、もしくは60コマでの表示。120コマとかもあるのかな?
でも、いくらコマ速を上げたとしても、無限に滑らかに流れる現実とは程遠い。
液晶に映し出される画像、連続した静止画が表示されているのだ、テレビと同様に動いているように錯覚して見えているもの。
昼間の明るい状況下ではシャッター速度が速くなるので、その液晶画面に表示される映像のコマとコマの間がブランクになってしまい、その間の事象は何も見えなくなってしまう。
どんな感じか下に記して見た。
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時間の流れ →
黒い線が液晶表示画像を取得している瞬間。
白い部分は全く見えていない事になる。
人間の視力では殆ど気になることは無い事だが。
見えない部分だけで何か連続で起こっている事象はファインダーでは全く見えない事になる。
現実の世界には、そのコマとコマの間にもほぼ無限の事象が存在する。
一眼スクリーンはそんな無限の事象も見逃す事無くリアルタイムに全てを見る事が出来る、錯覚ではない実物。
7、ファインダーの解像感と諧調表現
解像度が高くなっていくのはいいのだが、そこにはもう一つ重要な要素がある。
画像の明るい部分から暗い部分にかけてのその諧調表現だ。
そこで、手元にあるカメラ3種を比較してみた。
カメラは、パナソニックGH4、D800E、D850
ファンダーに携帯カメラを押し付け撮影、撮影倍率は全て一緒。
肉眼で見るのとは程遠いが、なんとなくイメージはつかめると思う。

ミラーレス、GH4のファインダー像
GH4の液晶ビューファインダー
液晶特有の白とびが見られる。
コントラストが強く表示され、覗いていると目が疲れる。
メリット
撮影される画像の、ホワイトバランスや露出を確認出来しながら、撮影出来るメリットがある。

D800Eのファインダー像、DK11M マグニファイヤー使用
D800Eのファインダー像
一眼レフはレンズが光学的に像を結ぶ面にスクリーンを設置し、プリズムで成立像にしてルーペで確認するしくみ。
非常にアナログチックだが、高精度に組まれたものであれば、ものすごく見やすい
一眼ファインダーは白とび、黒つぶれする事も無く、見たまんま。
長時間凝視しても、ほとんどに目が疲れない。
欠点は
露出やホワイトバランスが間違った設定であっても、いつでもきれいに見えてしまう。

D850のファインダー像
ついでに、D850も比較
マグニファイヤーを付けたD800Eよりもフ