BLOG: Katte Kimama

  • 岩本貴志

「カイツブリの子育て」その12、敵は水面下に

Updated: Aug 1


このブログでは2017年、井の頭公園のカイツブリの繁殖、子育て奮闘の様子を、写真と共に紹介しています。


水面下より迫り来る脅威


 



6月には透き通っていた水、ここのところ日に日に濁ってきている。

流れのゆるい場所ではアオコも発生、高温で晴れの日が続くと水の浄化は追いついていないようだ。


8月5日、3日ぶりのカイツブリ、ひょうたん橋の巣には3羽のヒナしか見つからない。

戻った親鳥の羽にもヒナが乗っておらず、1羽のヒナは外敵かなにかにやられてしまったようだ。

誰も見ていないので、詳しい原因は不明。


水中で魚やエビが捕らえにくいのか、親鳥の餌を運んでくる頻度が落ちている。

また、餌にしめる昆虫の割合が増えた気もする。

水が濁ってきたのが原因かと思われる。

親鳥もお腹が空いてか、餌を探しにヒナを置き去りに巣を離れて、なかなか戻ってこない事もしばしば。

数日前までは見られなかった行動だ。



そんな隙を突いて、ヒナたちに事件が起こった。

ヒナに餌を与え、巣を離れる親鳥の後を3羽のヒナが追った。

ヒナたちはきっとお腹が空いているのだろう。

親鳥は後を追ってくるヒナたちに気づいていないようで、どこか遠くへ行ってしまった。

親鳥もお腹が空いているのだろう。


そのまま、残されたヒナは3羽そろって、無防備な状態で水面に浮かび漂った。

そこへ、水面下からゆっくりと忍び寄る黒い影。

黒い影は10メートルほど離れたところから、少しずつヒナたちに近づいてきた。

また、濁った水はヒナたちに危険が迫っている事に気づくのを遅らせた。

(上の写真はその忍び寄る影に気づき、ヒナたちが一斉に逃げ出す瞬間。)

ヒナたちが危険に気付いて逃げ出すのと同時に、黒い影は猛スピードで1羽のヒナを捕らえた。

つかまったのは逃げ遅れた最後尾のヒナではなく、真っ先に先頭を逃げていたヒナ、逆に言えば最も黒い影に近づき、最も早く気が付いて逃げ出したヒナ。

黒い影にロックオンされてしまったのだろう。



最後の力を振り絞って逃げようとするが、

ヒナは逃げようともがき、何度か水面に頭を出した。

でも、カメは深く潜り、その希望はすぐにつきててしまった。

残された2羽のヒナたちは呆然としたまま、水面を漂い親鳥が帰ってくるまで放心状態。

近くにある巣に戻る事も出来なかった。

再び襲われないか心配だったが、しばらくすると親鳥が帰ってきて巣に戻り、ヒナたちは難を逃れた。

親鳥はヒナが1羽減ったことに気付いたようで、周辺、そして水中に潜って雛を探した。


黒い影の正体は、外来種のミシシピアカミミガメ。

おそらく最初にいなくなった一羽もこいつにやられたに違いない。

とにかく執拗にカイツブリの巣の周辺を頭を出しながら徘徊している。

味を占めたか、間違いなくヒナたちを狙って巣の周囲をうろついている。

親鳥もカメが犯人だと分かっているようで、巣の周辺を徘徊するカメをどうにか追い払おうとする。

親鳥もカメに噛み付かれたら大変なのでちょっと及び腰。



巣に近づくカメを警戒する親鳥、及び腰だ

水面から頭を出し執拗に巣の周囲をうろつく、ミシシッピアカミミガメ

井の頭公園の池では2度かいぼりが行われ、多くの外来種は駆除された。

しかしながら駆除しきれなかったやつらは、その強い繁殖力によってあっという間に数を増やしてしまう。

今年の冬にもかいぼりが計画されていて、その後も数年に一度定期的に行われるそうだ。

その時にはぜひ、この外来カメも退治してもらいたいものだ。

でも、水を抜かれている間、カイツブリもどこかへ非難しなければならない。

多難はつづく。

ミシシッピアカミミガメはミドリガメとして大量に輸入されている、その数は年間ざっと10万という。

小さいうちはかわいいけれど、成長するにつれ、臭いもあって獰猛なこのカメは飼うのが億劫になり、各地の水場で捨てられて水場のギャングと化している。

ミシシッピアカミミガメは在来のカメと比べ繁殖力も強く、在来のカメは競争に敗れ数を減らしている。

2羽のヒナを失ったカイツブリ、同じ過ちを繰り返さないで欲しい。

鵜の襲撃を危ぶまれていた七井橋のカイツブリは親鳥に守られ、8月5日(2027年)現在3羽の雛は無事に育っている。


今回の写真は全てPanasonic G DMC-GH4 で4K動画で撮影したものを写真としてキャプチャーしたものです。

いつか、この出来事を動画でアップ出来ればと考えております。



つづく


 

ブログを書いてからしばらく経ってしまいましたが、この時の出来事、というかこのつがいの生活史を動画に公開しました。

30分を越える大作となっております。

ご興味のある方、是非ご覧になってみてください。




 

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