BLOG: Katte Kimama

  • 岩本貴志

「カイツブリの子育て」その3、残された1羽

Updated: Jul 26

このブログでは2017年、井の頭公園のカイツブリの繁殖、子育て奮闘の様子を紹介しています。


井の頭公園、カイツブリ

もともと6羽いたヒナは1羽だけになってしまった 。


次の日、再び現場を訪れた。

幸いにも残された1羽のヒナは無事に一夜を明かしていた。

親鳥は巣の補強を試みるも、水没した巣はほとんど補修出来ていない状況。

雨は降っていないけれど、ヒナは常におなかが水に浸かった状態で体を乾かす事が出来ていない。



井の頭公園、カイツブリ 2

せなかにのせてよ!でも、どうしても登れない



体が冷えてしまっているからだろうか、ヒナはあまり元気が無い。

親鳥の背中に登ろうとするけれども、どうしても登れない。

羽毛がだんだんと濡れていく。

何とか頭と胸だけ、親鳥の羽に突っ込む事が出来た。

多少は暖が取れそうだ。


井の頭公園、カイツブリ 3

エサは食べれるぞ!おなかすいた!



エサを食べる体力はあるので、体を乾かす事が出来れば、元気になれそうなのに。 親鳥を待つ間、ヒナは寒さでか、体を震わせる。

体も少しずつ沈んでいく。

昨日死んでいったヒナの二の舞になってしまうのだろうか?



井の頭公園、カイツブリ 4

だんだんヒナへの興味を失っていく親鳥



親鳥は1羽残されたヒナへの興味を少しずつ失いつつあるようだ。

この子に、大人になれるだけの体力がないと気づいているかもしれない。

それでもヒナは必死に「ピーョ、ピーョ、ピーョ!」と、か細い声で叫び続け、お父さん、お母さんに離されまいとついていく。



井の頭公園、カイツブリ 5

一人ぼっちになったヒナ



一羽取り残されたヒナは、力の限り叫び続ける。

両親は20メートルも離れていない近くにいる。

子供が呼んでいる声が聞こえているはずなのに戻って来てくれる気配は無い。

ヒナにはすでに、親鳥のいる所まで泳いでいく体力すらも残っていない。

日も暮れ、あたりが真っ暗になっても、声の出る限り、ヒナは鳴き続けていた。


 

ヒナは皆死んでしまった


残念ながら、もともと6羽いたヒナはみんな死んでしまいました。

残されたヒナは、最後の最後まで力の限り生きようとがんばりました。

親鳥にも大人になる体力の無いヒナにずっとかまってられない事情があるのでしょう。

急いで、次の子育ての準備をしなければ、季節は駆け抜け次の繁殖が上手くいきにくくなってしまいます。

このカイツブリの親子の観察を通して、野生で生きていく事の厳しさを感じさせられるのでした。

次回は、その後のこの親カイツブリの状況を報告いたします。



つづく



このカイツブリの子育ての様子は動画 カイツブリの子育て、第二章「ヒナに待ち受ける試練」 にまとめました。気になる方は是非クリックして見てみてください。


 

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