
岩本貴志
「続、カイツブリの子育て」その30、自立
Updated: Jul 26, 2022
このブログは2018年に井の頭公園で繁殖したカイツブリの繁殖、子育て奮闘の様子を紹介しています。
前年、観察を続けていたヒナたちは全滅。今年こそヒナが立派に成長するまでの一部始終が見てやろう!と、書き始めたのがこのブログです。

魚を捕まえた! 7月29日、七井
前回更新してから10日以上経ってしまいました。
このブログを読んでいただいている読者の皆様大変お待たせいたしました。
ちょっと前ですが、7月終わりの様子を紹介します。
■
井の頭公園のカイツブリのヒナたち、
7月も終わりに近づいてくると、日に日に兄弟同士、共に行動する事も減ってきた。
最近は、それぞれのヒナが単独で行動している事が多い。
大抵生まれ育った縄張りの中での行動だが、好奇心旺盛のヒナは、行動範囲をどんどん広げている。
時には橋を越え、縄張りの外に出る事もしばしば。
縄張りの意味合いも以前と違っているのだろう。
ヒナが小さかった頃は親鳥が少しでも多くの餌をヒナたちに運んでこなければならなかった。
それぞれの雛が自立しようとしている今、そこはヒナたちの冒険の場だ。

思い出した!僕はここで生まれたんだ! 8月5日 弁天
成長の早いヒナはすでに親鳥とほぼ同じ大きさに育った。
大きなヒナは親鳥よりも大きくも見える。
これからは自ら餌を捕らなければならない。
羽も抜け替わり、体もより引き締まっていくのだろう。
好奇心旺盛にあちこち動き回っているヒナがいるかと思えば、今でも親鳥にべったりとして、親鳥から離れようとしないヒナもいる。
同じ親鳥を持つヒナでも兄弟それぞれ大きさも違えば、性格もまるっきり違う。
また、親鳥にも子の好みがあるようで、とことんかわいがる子もいれば、ほったらかしにする子もいる。
オス親は、オスの子はほったらかし、メスの子をかわいがったりする感じかな?

時々、親にご馳走をもらえる。甘やかされるヒナは決まっているのかな? 7月29日 ひょうたん
7月の終わり、親鳥にべったりとしているヒナが、弁天に1羽、ひょうたんに1羽見られる。
親鳥の母性本能なのだろうか?
親鳥のほうもヒナから離れようとせず一緒に行動。
まだ餌を捕らえるのが上手でないヒナにとってはありがたい。
でも、ヒナは甘えようと親鳥に近づきすぎると、今度は逆に怒られてしまう。
一生懸命自分で潜って餌を捕ろうとがんばっている姿を親鳥に見せたりすると、たまに親鳥からご褒美の魚がもらえる。
親鳥はヒナに漁をさせようと促しているのかな?
そして、漁の仕方を教えているのかな?
より大きくなったヒナは、すでに自ら魚を捕まえる事が出来るようになった。
漁はまだまだへたくそなので、魚を捕らえるまで、何度も繰り返し潜ってはチャレンジする。
そしてやっとの事、魚を捕まえたのがいちばん上の写真。
経験を積み重ねるうちに、漁の腕もだんだん上手になっていくのだろう。
自ら捕まえた魚、一度では飲み込む事ができず、何度かくちばしでつかみなおし、やっとの事飲み込んだ。
ヒナヒナたちは順調に自立への第一歩を踏み出している。

僕たちもう一人前だ!
■
つづく
前の記事
次の記事