• 岩本貴志

お父さん子、お母さん子、「続、カイツブリ観察日記、26」

最終更新: 1日前


このブログ、「続、カイツブリ観察日記」では東京都、井の井の頭恩賜公園に生息、繁殖するカイツブリの生態を、管理人自ら観察し、独自の視点で綴ったものです。

巣の流されてしまったひょうたん橋ファミリー。

あれから何日も経ってしまったが子供たちは元気でやっているだろうか?

雛たちは3羽皆元気だ。 7月2日

雛たちは十分に成長しているようで、巣が無くても大丈夫なようだ。

3羽とも元気でやっている。

場所はひょうたん橋から100メートルほど離れたところ。

彼らは、このあたりを中心に行動しているようだ。

親鳥も安心してか、雛たちを置いて遠くに行く事も多くなってきた。

カメや、ヘビなどの外敵に対して、子供たちだけで対応出来ると見越してだろう。

こちらも、弁天池ファミリーの雛たち同様水中を潜るようになってきた。

2羽の雛は水の中、1羽は兄弟たちの泳ぎを水面から観察。7月2日

親鳥もオスメス交代で雛の世話をしている。

お隣さんのカイツブリも近くにいないので、両親とも子育てに集中出来ているようだ。

お腹を空かせた2羽は、餌めがけて競争。7月2日

雛たちは親鳥が餌を運んできてくれるまでの間、何度も潜ったり遊んだり、お腹はペコペコだ。

狩りは挑戦するのだが、なかなか餌を捕まえられない。

捕まえられるのは小さな虫ばかり。

それもほとんどが水面に漂う、溺れた虫君。

お父さんお母さんの捕まえて来てくれる魚は大のご馳走だ。

小さな昆虫とは栄養も、ボリュームも、味もまるっきり違う。

どこからか餌を捕まえ、親鳥がやってくると、子供たちは我先にと競争だ。

日がたって7月9日、

ひょうたん橋ファミリーは2羽の雛は仲良く泳いでいるが、もう1羽はどこだろう?

いちばん大きな雛は、1羽どこか遠出していたようだ。

心配をよそに、しばらくするとどこからともなく戻って来て、兄弟と合流する事無く、再びどこかに行ってしまった。

この日、親鳥がいちばん小さな雛を攻撃し始めた。

小さな雛は、何がなんだか分からない。

「今まであんなにやさしかったのに?」

首を下げてくちばしと羽を高く上げる、甘えの姿勢をとっても攻撃してくる。

それも余計に。

「どうしたらいいのだろう?」

小さな雛はお父さんが怖くなってしまった。

攻撃されたくなければ、距離を置くしかない。

今まで仲良く泳いでいた兄弟も首を傾げるばかり。

「お父さん、僕には餌もくれるし、やさしく接してくれる。」

「どうして兄弟にはあんなに攻撃するのだろう?」

「僕よりも体の小さい兄弟、僕よりも食べなければ一緒に大きくなれないのに。」

お父さんカイツブリは、兄弟の一羽、小さな雛を追い払う事にしてしまったのだろうか?

それにしてもかわいそうだ。

この攻撃は去年も何度も観察している。

しぶとく生き抜いて大きくなった雛もいれば、姿を消してしまった雛もいる。

はたしてこの雛は成長出来るだろうか?

親鳥が雛を攻撃、間引きなのだろうか? 7月5日

2羽の雛が、親鳥に近づくと、1羽にはやさしく、1羽には非常に厳しく接した。

いきなり攻撃を仕掛け、それも何度も。

このファミリーでこの行動を見るのは今回が初めて。

弁天池ではこの行動は、見ていない。

巣のあったひょうたん橋付近にやってきた、小さな雛も付かず離れず付いてきた。 7月5日

攻撃された雛は、付かず離れずお父さんと兄弟の後を追う。

お父さんには近づきすぎると怖い顔でにらまれ、いつ攻撃されるか分からない。

そんなこんなで1羽寂しく水面を漂っていると、お母さんカイツブリが帰って来た。

「恐る恐る近づくと、お母さんは優しく餌をくれた。」

あんまり甘えさせてくれないが、お母さんに餌をもらえれば、とりあえずは大丈夫そうだ。

限られた餌で効率よく子孫を残す方法。

同じ両親から生まれた子であっても皆、性格も違えば体格も違う。

多くの子を産めばそれだけ、多様な性格に恵まれるが、全てが成長出来るわけではない。

傍から見ると残酷で、かわいそうに感じる行動にも意味がある。

今回見られたのも、そんな行動なのだろう。

つづく

#井の頭公園 #カイツブリ