• 岩本貴志

日食撮影テクニック!インターバル撮影の方法

最終更新: 4日前


今年2020年、6月21日が夏至の日。

それは、特別な夏至だ。


なんと夏至の当日に部分日食が見られるのだ。

日食自体はそうそう珍しいものではないが、夏至の日に日食が見られるのは372年ぶりという。

とてもとても珍しい。


この6月21日の夏至の日食、東京からだと、16時11分に太陽が欠け初め、17時10分最も大きく欠ける(離角16')。

そして、18時03分に食が終わる。


時間的にも夕方の、観測しやすい時間帯。



今回の日食の欠け具合、東京から見るとこれぐらい。

2012年の金環食後の太陽と月


今回の日食、半分も欠けないので、殆どの人は日食が起こっている事に気が付かないだろう。

上は2012年の金環食の時に撮影した写真。

ちょうど今回東京から見れる日食に近いので、イメージ出来るように掲載した。

ちなみに管理人のいるナイロビからは、

午前6時28分の日の出と共に食が始まり、最も欠けるのが午前7時47分そして午前9時ごろに食が終了する。


ナイロビからだと、日本よりもちょっと大きく欠ける(離角は10')


日食は太陽と地球の間に一直線上に月が入り込み、太陽の光が月に遮られる現象。

直接太陽が月に隠される様子を見るので、観測する場所によって、見える時間も、欠け方も変わってくる。


月は地球の周りをじわりじわりと、西から東へと地球に影を作りながら移動して行く。

約27日で一回りする公転運動だ。


その証拠に、日本で最も大きく欠ける17時10分、その頃ケニア午前11時10分(時差マイナス6時間)最も欠けた時間から、すでに3時間半ほど経過してからの事になる。


ケニアでは日本よりも一足お先に日食が見れる事になる。




日食の観察方法


太陽を直接見るのは非常に危険、絶対に見てはならない


日食を、観測する場合必ず日食グラス等を使う必要がある。


下の写真と同等の太陽観測用のめがねを使えば、じっくりと安全に、太陽を観測する事が出来る。

2012年、金環食前にバカ売れした日食グラス

上の日食グラス、目の位置には銀色の減光フィルムが貼られている。

危険な紫外線や赤外線をシャットアウトし、可視光も太陽が程よく見えるまで減光してくれる。


この製品、太陽が緑や赤に見える事がなく、白く見える。

とってもニュートラル!(色温度5500K)


これさえあれば安全に、じっくりと太陽を観測する事が出来る。



上の写真、昔なつかしケンコー製の日食グラス、管理人にとっては思い出の品だ。



ぜひぜひ、とっても珍しい夏至の日食、日食グラスで観察してみてはいかがだろうか。



日食の撮影方法


日食の撮影でオススメはインターバル撮影


食の変化の様子を一枚の写真で鑑賞する事が出来る。


下の写真は、今から8年前の2012年5月、日本列島の広い範囲で金冠食が観測された時に撮影したもの


当日雲が多かったが、雲越しに何とか日食の様子を観察する事が出来た。


今回の日食は半分も欠けないので、とっても特別な日ではあるがちょっと寂しい。


金冠の部分、雲で欠けてしまった



上の写真はその金環食の様子を、3分おきにインターバル撮影したもの。

リング状になったのは午前7時34分


朝8時前後なので、昇る太陽と月が左下から右上へと移動している。

月が太陽の手前、上から下、西から東へと動いていく様子がわかる。


今回日本から見られる日食は、夕方に見られるので、太陽と月は画面の中を左上から右下に動いていく事になる。


それにしてももう8年も前の出来事とは。


天体の動きをインターバル撮影する場合、天体の動きを予測してフレームする必要がある。


天文シュミレーターなどがあれば前もって、焦点距離と天体の位置関係を確認出来るので、フレーミングするのに非常に便利だ。


管理人は天文シュミレーターとして、今でもアストロアーツ社製のステラナビゲーター95を使っている。

Windows95用に設計されたソフトだ。25年前?

古くとも、十分使える。



必要な機材


カメラと三脚さえあればインターバル撮影は可能。

非常に明るい太陽を撮影するので、さらに減光用のNDフィルターが必ず必要になってくる


太陽はものすごく明るいので、ND400でもまだまだ足りない。


NDフィルターを重ねて使う方法もあるが、上の写真ではフジのゼラチンフィルターを1枚だけ使用して撮影した



厚紙の真ん中を切り抜いて、ホルダーとして使っている

上下掲載の日食の写真、両方ともこのゼラチンNDフィルターを取り付けて撮影した。


上の写真ND4.0というのは、一般的にいうND10,000とほぼ同等、対数表示になっているので注意が必要だ。

このND4.0フジのゼラチンフィルターでは最も強いND効果。


ゼラチンフィルターは扱いやすいように、丸くくり抜いた厚紙の間に挟んでいる。

とりあえず余計な光がなるべく反射しないように厚紙はマジックで黒く塗った。


これををレンズ先端にパーマセルテープでペタリと固定。


後は一般の撮影とほぼ一緒だ。



撮影モード


オートフォーカスでも十分いけるが、三脚で撮影するのであれば、厳密にマニュアルでピントを合わせて撮影したほうがより確実。

天体の無限の距離は常に一定なのでオートフォーカスで毎度合わせる必要も無い。


こういった時、ピントリングの距離目盛は撮影中でも確認できるので、常に安心感を与えてくれる。


露出も、太陽が画面に大きく入っていれば、オートでも結構いける。

オートで撮る場合、絞りが変化しない、絞り優先モードがいいだろう。

絞りが変化すると写りも変化してしまうからだ。


でも、撮影前に一度しっかりとマニュアルで露出を合わせてしまえば露出は固定されているので、ばらつく事もなく安心だ。


天体写真、基本的に全てマニュアルが最も信頼の置けるモードとなる。



上の写真の撮影中、雲が多く動いていて、太陽をしきりに隠していた。

雲が無い瞬間を狙うため、手動で、時計と太陽を見ながらインターバル撮影を行なった。


3分経過前後に、雲が切れた瞬間をねらって「パシャリッ!」露出を変えて「パシャリ!」

雲がかかると暗くなり、雲がはけると明るくなるので、露出を変える必要もまた生じた。

適正露出のものを最終的に合成し1枚の写真として仕上げた。



上の金環食インターバル写真、結果的に雲がいいアクセントになり、単なる太陽と月の競演だけでなく、そこには地球の大気、「雲」もその競演に加わる事となった。

一箇所だけ雲がでしゃばり過ぎてしまったが。



注意事項


カメラのレンズは光を集めるので、減光しないで太陽に直接向けるのは非常に危険!

カメラ、レンズともに破損する原因になってしまう危険が往々にしてある。

太陽の下、撮影しない間は、レンズを太陽からそむけ、さらに布などで覆い隠しておく事を推奨する。


、300mmf4のレンズ、試しにリアキャップをつけて太陽に向けた事がある。

もちろん開放。(絶対にまねをしないように!)

レンズを太陽に向けた瞬間、1秒と経たずにキャップが溶け出した。

それだけの熱。


望遠で撮影する場合、危険度はより一層増すので要注意!

必要の無い時、常にレンズを太陽からそむける事!


まとめ


今回、太陽の半分も欠けない小さな食ではあるが非常に珍しい夏至の日食


今回を逃すと、次回の夏至の日食は2802年6月21日!???

でも、シュミレーとしてみるとこの日は日が沈んでからの日食なので見れない。

ていうか、そんな遠い未来、今の人間、誰も生きていないし!

人類が今のように繁栄しているかも怪しい。


今回、今生きている人が見れる最後の夏至の日食という事だ。


夏至の日食というのは、それだけに珍しい現象。


夏至ではないとしても、次回、日本で見られる日食は2030年の6月

こちらも10年も先の事となる。


今回の日食、見ないわけにはいかそうだ!




次回は、実際に撮影した日食写真を取り上げます



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