
岩本貴志
動画のご紹介、カイツブリの子育て、第三章「カメに狙われたヒナ」
更新日:7月26日
カイツブリの子育て、第三章「カメに狙われたヒナ」をYouTubeにアップしました。
30分を越える大作!?となっています。
現在三部作となっているカイツブリの動画。
撮影場所は東京井の頭公園。
かいぼり(池の水の交換)をしてから、繁殖しに戻ってきたカイツブリ。
第一章から第三章となっていますが、全て別のつがいです。
第三章に出てくるつがいは、第一章「あきらめない巣作り」と同じ場所で前年繁殖したつがいです。もしかしたら、年を越した同じつがいかもしれません。
撮影期間は以下の通り。
第一章「あきらめない巣作り」 2018年4月おわり~6月おわり
第二章「ヒナに待ち受ける試練」 2017年6月おわり~7月の頭
第三書「カメに狙われたヒナ」 2017年7月中旬から8月中旬
この第三章、「カメに狙われたヒナ」の映像を撮影した後、2017年の年末からかいぼり、池の水替え作業が行われました。
池の水を抜かれた後に、池の底を天日干し、水底に沈むゴミと共に、外来種なども駆除されました。
それにしても、5年も経ってしまったんだな。

かいぼり、外来種駆除の様子
かいぼりで水が抜かれている間、カイツブリはどこかへ避難していました。
どこに行っていたのでしょう?
池に水が満たされると、すぐにカイツブリたちは池へと帰ってきました。
見かけ上、空を飛ぶのは苦手そうなカイツブリですが、案外飛ぶのも得意なのかもしれません。
第一章では登場しなかった、ミシシッピーアカミミガメ、本来は日本の自然にいなかった外来種です。
今回の第三章「カメに狙われたヒナ」ではストーリーの主脇役となっています。
そんな外来種によって乱される、野鳥の生態のご紹介となります。
もしかしたらストーリーに登場する脇役カメさん、この年末に行なわれたかいぼりによって駆除されちゃったのかもしれません。
翌年の2018年の同じ場所、カイツブリの子育て第一章では、ミシシッピーアカミミガメは登場しません。
かいぼりの後、ミシシッピーアカミミガメはかなり数を減らしましたが、難を逃れて逞しく生きているやつらもけっこう残っていました。
外来種といっても、命を持った生き物。
彼らも新たな環境に適応し、生きていくため、子孫を残していくため狩りをしているまでです。
彼ら自身が好き好んで、わざわざ外国の知らぬ地までやって来たわけでもなく、毎度のことながら人間による人間のための行動によるもの。
外来種を持ち込むという事に、いろいろと考えさせられるものがあります。
外来種によって、困っている野鳥がいるんだ!とでも思ってこの動画を観て頂ければ幸いです。
外来種がいなければカイツブリの子育ては安泰か?決してそんな事はありません。
そんな脅威な仲間たち!?をいくつかご紹介します。

おいらはここの主だ、昔からずっと住んでいる スッポンのおやじ?
同じカメの仲間、ミシシッピーアカミミガメがいるところではあまり見かけなかったスッポン。ミシシッピーアカミミガメがあまり見られなくなると、このスッポンが良く見られるようになりました。
カメコミュニティの中で、お互い距離を置いていたのでしょう。
カメ以外の他にも、カイツブリの繁殖にちょっかいを出す生き物はいっぱい。
すきあらば!と何気にヒナを狙って近づいてくるやからはたくさんいるのです。

ヒナを狙うやからたち、このつがいは第三章には登場しませんが
第三章「カメに狙われたヒナ」では2017年の7月から8月にかけてひょうたん橋近くで繁殖したカイツブリ家族にだけ焦点を当てています。
ストーリーは、既に巣は完成、卵が産みつけられているところから始まります。
そして順調に孵る4羽のヒナたち、平和だったカイツブリ家族に待ち受けていたものとは?
続きはぜひ、動画でご覧ください。

追い出されるシマヘビ
カイツブリのヒナを狙うやからは、あちこちからやって来る。
親鳥はヒナを守るため、一時も気が抜けない。
下に、第一章、第二章を貼り付けておきます。
第2章、「ヒナに待ち受ける試練」は2017年の弁天池の様子です。
撮影を始めた時には4羽のヒナ、もともとは6羽いたという。
ヒナたちに試練が待ち受けていました。
ちょっと悲しい物語になります。
こちらはカイツブリの子育て第一章、第三章で取り上げたカイツブリの子育て、同じ場所での翌年の様子です。
この物語でもカイツブリたちに試練が襲いますが、何とか乗り越えヒナたちは成長していきます。
是非、ご覧になってみてください。
どれも東京、井の頭公園で撮影したものです。
けっこう多くの池や湖で見られる野鳥、カイツブリ。
是非、双眼鏡片手に、愛らしくも逞しいカイツブリの様子を、ご自分の目で見てみる事をオススメします。