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岩本貴志の勝手気まま、ブログ

残された1羽、「カイツブリ観察日記、3」


もともと6羽いた雛は1羽だけになってしまった 。

次の日、幸いにも残された雛は無事に一夜を明かしていた。

親鳥は巣の補強を試みるも、水没した巣はほとんど補修出来ない状態。

雨は降っていないけれど、雛は常におなかが水に浸かった状態で体を乾かす事が出来ない。

体が冷えてしまっているからだろうか、雛はあまり元気が無い。

親鳥の背中に登ろうとするが、どうしても登れない。

羽毛がだんだんと濡れていく。

何とか頭と胸だけ、親鳥の羽に突っ込む事が出来た。

多少は暖が取れそうだ。

餌を食べる体力はあるので、体を乾かす事が出来れば、元気になれそうなのに。 親鳥を待つ間雛は寒さでか、体を震わせる。

体も少しずつ沈んでいく。

昨日死んでしまった雛の二の舞になってしまうのだろうか。

親鳥は1羽残された雛への興味を少しずつ失いつつあるようだ。

この子に、大人になれるだけの体力がないと気づいているかもしれない。

それでも雛は必死に「ピーョ、ピーョ、ピーョ」と、か細い声で叫び続け、お父さん、お母さんに離されまいとついていく。

一羽取り残された雛は、力の限り叫び続ける。

両親は20メートルも離れていない近くにいる。

子供が呼んでいる声が聞こえているはずなのに戻って来てくれる気配は無い。

雛にはすでに、親鳥のいる所まで泳いでいく体力すらも残っていない。

日も暮れ、あたりが真っ暗になっても、声の出る限り、雛は鳴き続けていた。

残念ながら、もともと6羽いた雛はみんな死んでしまいました。

残された雛は、最後の最後まで力の限り生きようとがんばりました。

親鳥にも大人になる体力の無い雛にずっとかまってられない事情があります。

急いで、次の子育ての準備をしなければ、季節は駆け抜けていきます。

このカイツブリの親子を観察して、野生で生きていく事の厳しさを感じさせられました。

次回は、その後のこの親カイツブリの状況を報告いたします。

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