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岩本貴志の勝手気まま、ブログ

地球と火星のランデブー(サンニッパでの惑星撮影)

今回はカイツブリはお休みしまして、カメラ用の望遠レンズで強拡大して惑星を撮影する方法についてもご紹介します。

去る7月31日、火星が地球に大接近。

2003年以来の大接近となった。

さてさて、管理人も火星の撮影に挑戦した。

今回も以前ブログで取り上げたのと同じ、写真用の望遠レンズ、300mmの後ろに望遠鏡用のアイピースを装着。

カメラはマイクロフォーサーズ、パナソニック社製のDMW-GH4を使用した。

2003年以来の大接近した火星、距離はおよそ5800万キロ 8月1日1時頃

なぜ望遠レンズでの撮影かというと、手元に無いだけの話。

手元にある機材で、最善を尽くしての撮影だ。

あるもので何かしようとするのは、楽しいものだ。

300mmf2.8のレンズは口径107mmの望遠鏡という事。

口径を求めるには、焦点距離をF値で割れば簡単に算出出来る、300(mm)÷ 2.8(f)= 107(mm)という事。

最近のほとんどのカメラレンズはカメラ本体から電源供給されないと、ピントすら合わす事が出来ない。

そして距離目盛すらないレンズが多いし、あるものも電源が入っていないと、全くの出鱈目だ。

更には、絞りが自由に設定できるレンズなど無きに等しい。

だからこういった遊びをするのも不可能に近い。

さらにいろいろなハイテクも詰め込まれ、コストも削減され、日本で作っているレンズは極わずか。

だから良く壊れたりもする。管理人の使用しているニコン、70-200mmf2.8VR2も壊れた状態。

ぶつけてもいないはずなのに、ある日突然、周辺にピントが来なくなった。

こんなの初めてだ。

あれ?このレンズ日本製だったかな?

早く直さなければ。

管理人の使っているレンズは20年近く前のもので、カメラ側にはちゃんと絞りリングが付いていてフォーカスも機械式。

電源が無くともピントも絞りも自由自在に設定出来るので、いろいろな事に応用出来る。

いわゆる単なる望遠鏡としても使用できるというわけだ。

さて、遠くの惑星を撮影するとなると、レンズ単体では300mmと焦点距離は惑星を撮るのには短すぎる。

テレコンバーターを付けたところでもたかが知れている。

そこで、レンズ後部に天体望遠鏡用のアイピースを装着。

今回は6mmのビクセン社製アイピース(Vixen NPL 6mm)を使用した。

カメラのマウントにアイピースを直接取り付ける事は出来ないので、非常に簡単な工作をして取り付けている。

レンズのリアキャップに穴をくりぬき、昔々、確か管理人自身高校生の時に購入した天体拡大撮影用のカメラアダプターとニコン用のTリング。

カメラはパナソニックのマイクロフォーサーズなので更にアダプター使用。

何か合体ロボットを作っているようで楽しい。

サポートも無く長くなっているので下の写真で見ても分かるほど若干たわんでいる。

計ってみるとアイピースからカメラのセンサー面までは120mm、

合成焦点距離を計算してみると、

300x(120÷6-1)=5700mm

合計焦点距離は5700mmの超超望遠となる

下の写真が管理人使用の惑星の撮影システム。

微動装置も何も無く、自由雲台で5700mmという超超望遠レンズで、惑星を視野に入れるのは至難の業。

かがんだ姿勢でものすごく肩のこる作業だ。

視野の端にやっと入れる事が出来たものの、欲張って視野の真ん中に入れようとして、再び振り出しに戻ってしまう事も多々発生

カメラ上部についているファインダーは絶対必需品だ。

また、今回は赤道儀としてケンコートキナー社製のスカイメモTを使用。赤道儀を使用しないとやっとの事で視野に入れた強拡大した惑星はあっという間に視野の外に出て行ってしまうので、これもまた必需品。

管理人使用の惑星撮影システム、赤道儀にはケンコー社製スカイメモ T使用

前にも紹介したが、最近の惑星撮影は動画で撮影し、像が安定している物だけを何枚も合成して写真に仕上げるのが主流。

管理人も例に漏れず同じように撮影した。

編集にはRegistax6というフリーソフトを使用して合成した。

ほとんど自動にやってくれるので非常に楽だ。

いちばん上に載せた火星の写真は、GH4の4k動画で90秒撮影したものをSD(640x480)にクロップして合成。

さらに上記方法で合成した3枚の写真を再びを合成して、なるべく模様が分かりやすいように仕上げたもの。

合成した写真、かなりな強調処理してあるので、火星の極冠や模様がはっきりと確認出来るが、実際肉眼で見るとここまで模様は濃くは見えない。

上の撮影システムの写真を現像して気がついたのだが、カメラけっこう下にたわんでいる。

火星の上下に出ている赤青緑の色収差、もしかしたらこのたわみが原因かもしれない。

次回はどうにかまっすぐになるようにして撮ってみよう。

もしかしたら収差が消えるかもしれない。

7月31日前にも何度か撮影したが、7月31日から8月1日にかけてが今までで最高の条件。

火星だけで無く、空には月を含め多くの惑星が並ぶ非常にゴージャスな夜。

さらに、日の入り直後まで遡ると、西の空には水星、そして金星の姿も。

惑星の座から準惑星に格下げになって久しい冥王星も土星と火星の間にあるのだが、とてもとても小さく暗いので、もちろん見る事は出来ない。

7月23日21時ごろ、夜空には贅沢な惑星たちが並んだ、海王星は暗すぎて見えないが、

次回火星の接近は2年2ヵ月後の2020年10月

この接近でもけっこう大きく見られるのだ、直径で比べると今回の9割ほどの大きさ。

それからその次の大接近は2035年、その時は今回よりもちょっと大きな姿を見せてくれる事になる。

これから火星は地球から少しずつ遠ざかっていくが、そのスピードはゆっくりしたもの。

火星よりも公転スピードの早い地球が火星を追い越し、火星を後ろに見ていく形。

だから、しばらくの間は赤く輝く火星の姿を楽しむ事が出来る。

さてさて今回の大接近、火星の大きさを500円玉に例えるとどれぐらいだろう?

直径6800キロほどの火星が、5800万キロの距離にある。

直径22.6mmの500円玉に換算すると、距離は190メートルほど先という事になる。

それはちょうど10両編成の中央線、いちばん後部の車掌さんから見て、先頭車の真ん中にある側灯あたりという事になる。

側灯は扉が完全に閉まった事を確認するための赤いライト。

車両ごと扉が完全に閉じるまでは点灯し、完全に閉じると消灯する仕組み。

ちょうど赤いし、サイズも500円玉とほぼ同じ大きさ。

機会があったら一番後ろ、車掌さんのところまでいって先頭車の側灯を見てみよう。

ちょうど火星が大接近した時の大きさにほぼ等しい大きさに赤い側灯が光って見える事になる。

惑星の撮影となると拡大率を半端なく大きくしなければならなく簡単な撮影とはいきませんが、挑戦してみたらいかがでしょう。

最近では強拡大出来るレンズ付きのカメラも出てきており、手振れ補正と相まって惑星の姿も手軽に撮影出来るようですし、惑星など撮影するのに特化したシーモスセンサー等もあるので、以前と比べると非常に手軽に惑星の姿を撮影出来るようにもなってきています。

太陽の周りを地球と共に数十億年共に回ってきた惑星仲間たちの姿を、自分で撮影するのもなかなか乙なものです。

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