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岩本貴志の勝手気まま、ブログ

ナクル湖、水位の上昇で様変わりした湖

久々にナクル国立公園に行ってみました。10年以上前に訪れた時と比べるとあまりにも様変わりしていたので、その様子をお伝えいたします。

ナクル湖は、フラミンゴで有名な湖で、世界遺産にも登録されている。

2000年ぐらいから水位が上昇し、フラミンゴは激減してしまった。

ナクル湖の場所は、ナイロビから北西へ150キロほど行ったところに位置する。

ナイロビから以前は2時間半ほどで行けた場所であるが、最近は舗装状態が良くなったにもかかわらず交通量が増え、日中は4時間以上かかってしまう事もざらである。片側1車線の道をゆっくりと行くトレーラー多数、抜くにも対向車が多くなかなか追い越せない。追い越してもすぐに再びゆっくりトレーラーぶつかってしまう。がんばって追い越しても燃料を無駄にするだけであまり時間短縮につながらない。ここは割り切ってゆっくり行くと心の余裕も生まれる。

満々と水をたたえるナクル湖 、あまりありがたくない現状 2019年10月

管理人は、昨年11月しばらくぶりに湖へ行った。

妻と3人の子供を連れてのサファリ、一番下の子はまだ1歳。ナクルの街に宿泊しての出発だったが、公園に入ったのは昼も過ぎてから、

公園にいられたのは午後の間だけと十分に時間は取れなかったが、しばらくぶりのナクル湖、十分に楽しむ事が出来た。

最近はフラミンゴが見られても、ちらほら少ない数しか見られない。

フラミンゴは、アルカリの湖に繁殖する藻を食べるのだが、水位の上昇が原因なのか、フラミンゴの生息には適さない環境になってしまったようだ。上の写真で見て分かるとおり、湖周辺の草原部分は全て水没、水面は森にまで達している。

ケニアで見られるフラミンゴには、オオフラミンゴと、コガタフラミンゴの2種類がいる。右の写真はオオフラミンゴ。

管理人は以前、ナクル湖でのフラミンゴのカウント調査に何度か参加した事があり、ナクル湖のフラミンゴの状況は若干把握している。

ナクル湖ではコガタフラミンゴが圧倒的に多い。コガタフラミンゴの食性はアルカリの湖に繁茂する藻に依存している。かつてのナクル湖は藻の工場のような場所であった事から、絶好の憩いの場と同時に食事場であった。この藻に含まれるカロチン成分がフラミンゴのピンク色を生成しているという。生まれたときは白いが年々ピンクが濃くなり、7年ほどで成長となる。動物園のフラミンゴは野生のものよりも強いピンク色をしているところが多いいのは、カロチン成分の与えすぎが原因と見られる。お客さん受けがよければいいのか。

オオフラミンゴは藻ばかりに依存せず、けっこう肉系も食べるので淡水湖でもけっこう見かける。

遠い昔はナクル湖でフラミンゴが繁殖していたというが、繁殖時に神経質に人けを嫌うフラミンゴにとって、観光客が大勢来るようになってからはナクル湖で繁殖するのはいやになり止めてしまったようだ。

フラミンゴは岸辺周辺の浅い水底に繁茂する藻を食べる。おそらく今では一昔と比べて数メートル単位で水位が上昇しているようなので、以前フラミンゴが歩いて藻を食べていた場所はとてもとてもフラミンゴが歩く事が出来なくなってしまった。水位の上昇と共にアルカリの度合いも下がり、なおかつ水深が深くなった事で、藻の成長に欠かせない太陽光も水底に十分に届かなくなり藻の繁殖にも適さなくなってしまっているのだろう。

いずれにせよフラミンゴのお気に入りの場所ではなくなってしまった事は確かだ。

管理人も今回、フラミンゴを見る事は無かった。上の写真は以前タンザニアのアルーシャ国立公園で撮影したフラミンゴ。

国立公園のゲートは既に水際というか水没

レンジャーに聞いたの話では10年ぐらい前から水位が上がりはじめ、水が入ってこないよう対策をいろいろと講じたという。結局水位の上昇は止まらず、7年前にこのゲートから退去したとの事。

現在は水没の心配の無いかなり手前の斜面の途中に小さなゲートが設置してある。

十数年前に行った時は水位は別に高くなく、ペリカンのパラダイスであった。

ペリカンは藻ではなく魚を食べるので当時のナクル湖には魚が大量に発生していた事を物語る。もともとナクル湖には魚がいなかったとの事だが、1960年代にマガディ湖に生息するティラピアの一種を放流、この魚もフラミンゴ同様藻を食べて成長するので、水中には外敵もおらずエサも豊富にあるナクル湖で大量に増殖したのだろう。当時水際で水面を見ていると水面がうごめくほどの大量の魚がいる事が目に取れるほどだった。今回数羽のペリカンは目撃したが、大きな群れでいたわけではなく、数羽の小さな群れをいくつか見た程度。おそらく藻が繁茂しておらず放流された魚も減少してしまっているのかもしれない。

水位が上がり森の部分が水没してから10年ほど経過、今では緑をたたえていた森の木々は死に絶え、なんとも異様な雰囲気をかもし出している。

死に果てた水際の森

完全に湖面がフラミンゴで多い尽くされていた、というのは過去の栄光になってしまったようだ。

なぜこうなったか、と必ず語られるのは異常気象。

現在メディアでは、異常気象だの気候変動などつなげたがるが、長い地球の歴史そんな事何度も繰り返してきた事。

巨大なサハラ砂漠が緑に覆われていた事もあれば、ヨーロッパ北部が氷河に覆われていた事もある。

気候変動が起こる要素として、人類活動による二酸化炭素放出ばかりに焦点があてられるが、地球の軌道要素の変化による日射量の変化、太陽活動の変化、地球に降り注ぐ宇宙線量の変化による雲の発生云々。また、地球表面の7割を占める巨大な海洋が人間活動と比にならないほど多くの呼吸を行ってる事実もある。日本国内では、温暖化が進行している前提で、それに即した都合のいい情報ばかりが伝えられ、都合の悪い情報は伏せられる嫌いがある。メディアから流されている情報ばかり鵜呑みにしていると、真実から遠ざかってしまう。恐竜が地球上を歩いていた頃は現在よりも5倍以上高かったというし、何せ人間のいなかった時代。

環境に配慮してというのはいいのだが、二酸化炭素取引などのビジネスに直結し、本末転倒なのが現状ではなかろうか。

去年、ケニアのケリチョというところにいたのだがではよく雨が降った。

ここ数十年ほどの気候を基準に考えると、世界各地でちょっと異常?と思うこともあったりするが、地球の長い歴史から考えると大した事ではないのだろう。人間が何とかしようと努力するのはいい事だと思うが、人間の力でどうにか出来るという様な問題でも無さそうだ。上記した気候変動は人間の工業活動の全く無かった時代に起こった事でもあるし。

でも人間の寿命で考えるとこの数十年が最も重要という事であるが。

話は横道にそれたが、ナクル湖の水位上昇は原因がいまいち分からないという。

去年の大量の長雨は水位上昇に大いに貢献したと誰もがわかるが、上昇はそのずっと前から始まっている事実。

雨期にだけ水が流れるマカリア滝

管理人は始めて滝の水が流れているのを目にした。

この滝はナクル国立公園の北にあるメインゲートからずっと南下し、最も南に位置する滝。

話は変わって、

ナクル国立公園はある意味サイの動物園といっても差し支えないほどサイがたくさんいる。

絶滅の危惧に直面しているサイのサンクチュアリとして上手く機能している側面もある。サイは人工的に持ってきたものだが繁殖に成功し、数も順調に増えているという。

ナクル国立公園は四方を完全に電気柵で囲み、野生動物と人々の活動のコンフリクトを防いでいる。でも最も危惧しているのは密猟者の対策である。ナクル国立公園周辺はすぐに人々の活動の場、北はすぐにケニア第4の人口密集のナクルのもある。公園近所の人々は、柵が無ければ家から徒歩数分で公園内、その気になれば毎日密猟に通う事が出来てしまう。何せサイの角は非常に高値で取引されるので、密猟者の格好のターゲットである。

電気柵で囲んでしまっている事で野生動物の出入りが出来なくなり近親交配等も起こる確率も上がったり健全な野生とはいい難い状況であるが。電気柵のおかげでナクル国立公園はサイのサンクチュアリとして上手く機能を果たしているのだろう。

他の一例を上げると、セレンゲティには10頭未満のサイしかおらず、全サイの角の中にはGPSが埋め込まれている、柵もない広い平原の中サイが遠くへ行きそうになると、レンジャーが車でサイのところまで行って追い戻すという。そこまでしているのに関わらず数年前に貴重なサイの1頭が密猟されてしまったという。

どちらがいいともいえないが、サイを増やすという意味では、ナクル国立公園は最も成功している一例といえる。

仲間に入れてくれよー!

お母さんサイに寄り添って離れようとしない子サイ。

右にいるサイはきっとお父さんサイだろう。

これはシロサイ?クロサイ?それともシロクロサイ?

シロサイとクロサイがいるけれど、別に色で分けているわけじゃないよ。

これはシロサイです。

お話しする!?ヒヒの子供

ほとんどの哺乳動物の母親は、子供と一緒にいる時は常に最も幸せを感じている瞬間。

このヒヒの子供はお母さんに何かお話をしているようだ。「ね、ね、ねーおかあさん!あれ、なんだっけ?忘れちゃった。」

まだ赤ちゃんだからしゃべれないか。

フラミンゴが激減したことによって、今まで見られなかった野鳥が増えたとも聞く。水位が上がって淡水に近くなってというのが正解かもしれないが。

ま、いろんな状況が絡み合って全てがつながっているのが自然。

右はサンショクウミワシ、ザンビアでは国鳥ともなっている猛禽類。今は知らないが、1996年当時、国営ラジオのニュースはこの鳥の雄叫びで始まっていた。

5年前にザンビアに行った時、確かラジオから同じ雄叫びを聞いた気がする。

魚が主食だがフラミンゴを狩る事も。このサンショクウミワシ「フラミンゴはどこへいった?」と今でも思索中であるかのようだ。

生まれてからフラミンゴで埋め尽くされる湖面など見たこと無いか。

左はエボシムマタカ、Long-Crested Eagle

ナクル湖のフラミンゴカウントを行ったりしている自然保護団体、通称「ネイチャーケニア」、日本でいうと「日本野鳥の会」にあたるのかな。その団体のシンボルマークともなっている鳥。

とさかのような頭の上の羽が特徴。

管理人も「ネイチャーケニア」のメンバーに入っていた事があり、バードウォッチングなどを行ったりしていた。博物館等へのフリーパスにもなるのでけっこう重宝した。

そんなこんなで短いサファリを終了、自然はダイナミックに変化して行くのだなとつくづく想ったりし、家族揃ってサファリを堪能、家路に着いたのでした。■

ちょっと長くなってしまいましたが、最後までご覧頂きありがとうございました。

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