BLOG: Katte Kimama

岩本貴志の勝手気まま、ブログ

  • 岩本貴志

バルブクリアランスの調整、ランクル1HZエンジン

最終更新: 6月23日

日本とアフリカを股にかけて活動するカメラマンのブログへようこそ。


このブログでは、管理人がケニアで長年乗り続けているランクル75トゥルーピーの整備日記をご紹介しています。

今回は、1HZエンジンバルブクリアランスの調整について取り上げます。


全ては、専用工具などは使用しない、アフリカンスタイル。

とりあえずは参考までに。

もし、作業を行う場合も自己責任でお願いします。


ランクル購入と同時に購入したマニュアル本、いつもながら、この本を参考に作業を行っています。


ランクルバイブル、今はもっとぼろぼろ



目次
バルブクリアランスの調整をする事にした
作業開始 
シムの厚さの計測 
計測の結果、4箇所で所定のクリアランスの範囲から外れていた。  
調整後のテスト結果 




バルブクリアランスの調整をする事にした


かなり前になるが、愛車ランクルのエンジン音が大きく、なってきた気がしていた。

特に下り坂で、エンジンブレーキをかけて走行する時に発生するうなり音。

トラックのような音で、健康な1HZ の音ではないなと感じていた。


加速時の黒煙も多少多いようで、原因は何だろう?


と、バルブクリアランスにばらつきがあるのでは?と疑い、バルブクリアランスを調整する事にした。


1HZエンジンは、コイン型のシムを交換する事で、バルブクリアランスの調整が行なえる。


以前(8年前)一度行なった作業、今回はその時の事を取り上げる。


個人ながら勝手に思っている最強エンジン。

1HZ、直列6気筒、4.2L、自然吸気のディーゼルエンジン。


最強とは力が強いという事よりも、走りやすく、丈夫で壊れにくいという意味で。

4.2リッターの余裕のあるサイズ、ターボ非搭載で力を無理して出さないので長持ちする感じだろうか。


ケニアのサファリカーのほとんどが、このエンジンを積んでいると言っても過言でないほどのポピュラーエンジンでもある。

過酷な環境で質の悪い燃料を使用してもへこたれず、確実に動いてくれるエンジンという事だろう。


直列六気筒で、バランスがよく、音もいい!(個人的感想)

上記したように、いかなる環境でも回ってくれるエンジン、オイルの管理さえ怠らなければ、普通に100万キロでも走ってしまうという。



直列六気筒SOHC1HZディーゼルエンジン、カムシャフトは1本、バルブは、前から吸気、排気と順に並び、全部で12箇所


バルブクリアランス表記のステッカーがエンジン、シリンダーヘッドカバーに貼ってあるのを結構見かける。

バルブのクリアランス、吸気側は0.15~0.25mm排気側のクリアランスが0.35~0.45mm

クリアランスは、この0.10mmの範囲に入っていればいいという事だ。


バルブクリアランスの隙間の誤差の範囲は0.10mm

ディーゼルエンジン、見かけによらず、中身は非常に繊細だ。



作業開始

まずは、シリンダーヘッドにごみが入らないように、周辺をきれいに掃除。

雑巾以外にカメラ用のブロアー、塗装用のはけなど使い入念に掃除した。

念には念を入れて、シリンダーヘッドカバーを開けるまで、何度も繰り返し、ごみを払いながら作業を行った。


アクセルワイヤー吸気ダクトを取り除き、最後にシリンダーヘッドのカバーを取り除く。


カムシャフトと、バルブクリアランス調整用のシムが露になった。


これで、バルブクリアランス調整の準備完了。



そして、バルブクリアランスの計測を行なうために、エンジンのクランクポジションを所定の場所、TDCへ。

TDCとはトップ、デッド、センターの事。日本語だと上死点か。

この、TDCポイントは、前のタイミングベルトカバーを取り外すと、TDCに合わせるべくポイントが表記されており、正確に合わせる事が出来る。

本来は、そうするべきだったが、カムシャフトの出っ張っていない部分で計測すればいいやと、実際はそうしなかった。


結局、計測中何度も、バルブクリアランスを計測しては車の下にもぐりこんで、クランクシャフトを回してを繰り返す事になった。

後から、タイミングベルトカバーを開けてでも、TDCに合わせれば作業はずっと楽だったなーと思うのであった。



バルブクリアランスの計測に使用した隙間ゲージ



エンジンのクランクシャフトを所定の位置に手で回すのは固く、重くほとんど不可能、オイルフィルターなどを外すのに使う麻ヒモを束ねたロープと、スパナを上手く使って、てこの原理で何とか回す事が出来たが、それでもかなりな力仕事

いつもながら、「スターターモーターのパワーすげーな」と、思うのであった。


このスターターモーター、自転車に積んでギアでつなげれば相当スピードが出そうだ!

80キロ/時、は固い!?100キロ/時、以上出るかも?

相当危なそうだ。


このバルブクリアランスの点検作業、手元のマニュアルには5万キロごとに行うよう書かれている。


クリアランスの点検は、上写真の隙間ゲージを使用(上写真)。


バルブクリアランス記録用紙



一つ一つ、バルブクリアランスを計測、シムの厚さや、交換すべくシムの厚さなども記録して表にまとめた。

その表はランクルマニュアルに挟んであり、手元に残っていた。日付を見ると既に8年前の作業。


計測してみると、前後とも端のバルブのクリアランスの狂いが大きかった。

どちらも0.05mmほどクリアランスが広がっていた。

また、クリアランスの縮んでいるバルブも2箇所見つかった。


縮まっていたのは上表、6と11、3気筒目のエグゾーストと、6気筒目のインテークバルブ。


計測後、所定のクリアランスに収まっていなかったシムは交換する事に。


交換のため、シムを取り外す必要がある。

このシムの取り外し、専用工具もあるようだけど、試行錯誤の末、下写真のやり方が最も簡単なやり方という事になった。

マイナスドライバー大、小それぞれ1本と、リングスパナ1本を使用。

でかいマイナスドライパーを確か18-19mmのリングスパナの穴に通し、スライドさせバルブを押し下げる。

上手い具合にバルブを押し込んで、小さなマイナスドライバーを使ってシムを取り外すのだ。


手を離してもバルブを押し下げたまま、固定出来る、これはなかなか良いやり方だと、自分でも関心。

部品に傷をつけることも無いので他人にもオススメ出来そうな方法だ。


こんな感じで、結構簡単にシムを取り外す事が出来た


この方法だと、1人でも簡単にシムの取り外し作業が簡単に行える。


写真は娘に撮ってもらった。



シムの厚さの計測


マニュアルには、マイクロゲージが必要とあるが、バーニアノギスで行なった。

バーニアノギスの計測目盛は、1/20mm(0.05mm)までだが、ここはアナログのいいところ、アバウトだが目視でこの1/5(0.01mm)ぐらいの計測が可能だ。


シムは厚さ2.35mmから3.30mmまで、0.05mm刻みで20種類存在するようだ。

という事は、0.05mm、バーニアノギスの目盛りが読めれば、それで十分という事。


上のシム、2.775mmと計測した


上のシムはおそらく、シムの厚さ2.80mmだったものが走行していて0.025mm減ったものと思われる。


シムの交換に必要な、計測はバーニアノギスでも十分対応出来るという事で、マイクロゲージは買わず、余計な出費はせずにすんだ。



シム、下側の磨耗パターン(8年後撮影)


シムには特に大きな傷も見つからず、カムシャフトなどもピカピカだった。

シムの下側には走行中、ぐるぐる回っていると分かる模様が。

カムシャフトが触れる上側、は全面均一にピカピカだった。

大きな傷は、長年保管中に付いたもの。


当時使用していたエンジンオイルは、値段の安いい40固定グレード、2500キロおきに、頻繁に交換していたのもあるのだろう。


最近は、マルチグレード15w-40を使用、だいたい3000キロおきに交換している。

交換は、オイルの触った感触や、エンジン音、パフォーマンスの変化、を目安にしている。

このオイル交換頻度、高速での長距離走行が多ければ、5000キロぐらいに伸びてくるのだ。

走っていて、だいたい2500キロを超えるぐらいから、オイルのヘタリを少しずつ感じるようになってくる。


固定グレードからマルチグレードのエンジンオイルに変えた理由は、高速走行時のエンジン音が静かになったから。


古いエンジンなのでいつも鉱物油を使用している。


エンジンオイルの事についてはそのうちに取り上げようと思っている。



計測の結果


計測の結果、4箇所で所定のクリアランスの範囲から外れていた。


クリアランスが所定の範囲内に収まっていたシムも、所定範囲ぎりぎりのシムに関しては取り外し厚さを計測。

なるべくバルブクリアランス所定の範囲の中心に揃うようにした。


中心の値は

吸気バルブ、0.20mm

排気バルブ、0.40mm


それぞれ交換で済むものは交換して済ませたので、最終的に2個のシムの買い足しただけで済んだ。

といっても買わずに済んだのだが。


バルブクリアランス調整時の写真、シムを厚さごとに並べた


以前エンジンをばらした時に交換し、とってあったシムに、使えるものが無いかも確認。


ノギス片手に店をまわって2個の必要なサイズのシムを手に入れた。

ラッキーな事に、店のおやじさん、「選挙で応援していた大統領が当選した!」との喜びで、シム2個を無料でくれた。

この作業を行ったのは、ケニア大統領選、結果発表の直後。


それぞれのシムを所定の場所に装着!

全てのシムの装着を終え、クランクを一回りさせて、再計測。

全てのバルブクリアランスは、所定の範囲に全て収まった事を確認した。


あとは、取り外し作業の逆回し。

全ての部品を元に戻した。


調整後のテスト結果


そして、エンジン始動!

エンジン音は、アイドルから、がらりと音色が変わった。

濁音が減って、クリアになった感じだ。


走行テストで、黒煙も減ったように見え、下り坂でのエンジンブレーキ時のエンジン音、以前に比べてずっと静かになった。


たった0.1mm程度のバルブクリアランスの変化でここまでエンジンの音が変わってしまうとは。

それも12個のバルブのうち4個だけ。


頑丈なディーゼルエンジン、中身は非常に繊細だという事を、改めて感じるのであった。



この作業後、1HZのエンジン音、「バルブクリアランス、狂ってるんじゃ?」という音がちょっとだけ聞き分けられるようになった。


この作業を行ってから8年が経過した昨今、再び1HZ直6エンジンの音が濁ってきたように感じる。


再びバルブクリアランスの調整、してみるかな。



最後までお読みいただきありがとうございます。


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