- 岩本貴志
AFS Nikkor ED 300mm F/2.8 D、ニコン初代AFSサンニッパ、レンズレビュー
最終更新: 2月6日

19
1996年、同時発売されたニコンフラッグシップF5と共に
以前のブログで、50mmf1.2について、僕自身も好きなレンズの1本だという事を紹介しました。
今回はそんなお気に入りレンズの紹介第2弾という事で、僕の独断と偏見で、ニコンAFS Nikkor 300mm f2.8D について紹介します。
あまり参考にはならないかもしれませんが。思いつくまま、いろいろ書き連ねていこうと思います。
■
使い始めて20年
僕が野生動物や、野鳥の撮影で最も多く使用するレンズがこのAF Nikkor ED 300mmf2.8Dなのだ。
購入してから既に20年が経過している。
1996年に発売、ニコンとしては始めての超音波モーター内臓のレンズ。
当時はまだフィルムの時代、ニコンのフラッグシップF5の時代だ。
このレンズが発売される前にはAFIという、たしかコアレスモーターを内蔵されたレンズが販売されていた。
このAFIタイプのレンズは、ニコン始めてのレンズ内AFモーター駆動システム。
フルタイムマニュアルでの操作が可能になった、ニコン初めてのレンズでもある。
AFIレンズ使った事がないので、なんともいえないが、フォーカスは遅かったようだ。
300mmは標準レンズ
野生動物を撮る身として300mmは、ある意味標準レンズ的存在。
だから、最も良く使うレンズの1本でもあり、思い入れも強い。
野鳥を撮るとなると広角レンズにあたるが、最近の高画素カメラと組み合わせれば、クロップしても一昔前の600mm以上の画質が得られる。
光学的にテレコンを使って拡大するよりも、センサーピッチの細かなカメラを使ったほうが結果が良かったりもする。
管理人自身、ズームレンズを除くと、このレンズの他3本の300mmを使ってきた。
今までに使った3本の300mm。
AF Nikkor ED 300mm f4S
トキナー AT-X 300mmf2.8 SD
AFS Nikkor ED 300mm F4D
トキナーレンズ以外は売り払わず、今でも使える状態でとってある。
一本使っているズームレンズは、シグマ120-300mm f2.8の初代のレンズ。
このレンズはGH4を使った動画撮影でよく使う。実はとある番組のチーター撮影でもこのレンズを使った。
AFS Nikkor ED 300mm F/4D (サンヨン)は今でも写真撮影で良く使う。
最短撮影距離が1.45メートルと非常に近く、近くに寄った時の拡大率は、70-200mmf2.8Gのように小さくならないのでマクロ的にも使用でき、非常に重宝する。
70-200mmf2.8G VR2は最短撮影距離に近づくほどに焦点距離も短くなるようで、被写体を大きく撮れない。ポートレートでも寄りは今ひとつ物足りない。
またこのサンヨン、太陽の撮影でも良く使っている。
トキナーレンズは、サンニッパでありながら重量が2キロちょっと、その軽量さとコンパクトさ、画質も高く、非常に気に入っていた。
ひとつ大きな欠点があり、周辺光量の低下が非常に大きいという点だ。
後部差込フィルターを使用しているのだが、そのフィルターサイズが2xmm?と非常に小さく、レンズの無理した小型化が原因だったのかもしれない。
でも、全体の画質は、古いニコンの300mmf4よりも良かった思い出がある。
マニュアルフォーカスの操作性も、ストロークも程よく長く取ってあるうえ、全領域渋る事無く、非常にスムーズ。
最短撮影距離から無限遠まで、全領域小指一本でも操作出来る程の工作精度で、素早くピントを合わせることが出来た。
優れたファインダースクリーンのカメラであれば、殆どの被写体でオートフォーカスの必要性はあまり感じないもの。
このトキナーサンニッパのピントの合わせやすさは特筆に値するほど。
おそらく、他のどの300mmレンズよりもマニュアルでピントが合わせやすいレンズだったと思う。
当時のレンズの、部品加工の工作精度現行レンズよりも、かなり高かったのではなかろうか。

トキナー、サンニッパで撮った写真
ニコンも以前のサンニッパの後部差込フィルターは39mmと小さなものを使用していたが、超音波モーターを内蔵したころからは52mmを使用している。
周辺光量の低下も、以前のレンズと比べると小さくなっているのだろう。

フィルター径52mmの後部差込フィルター
この周辺光量の低下は、ボケの形に大きく現われる。
けられた周辺部分のボケがラグビーボール状に写るのだが、このトキナーサンニッパのラグビーボールは、非常に細長いものだった。
このラグビーボール状のボケ、相当絞らなければ丸くならず、ひと絞りしぼったf4でも、ニコン旧旧サンヨンの開放f4よりもケラレが多かった。更に絞っても結果は一緒。
これが売り払ってしまった大きな理由だ。
ニコンAFS Nikkor ED 300mmF/2.8Dの絞り羽根

絞りの設定F8、羽の形
レンズ周辺部のボケの形で、レンズの周辺がどれだけけられているかが、わかる。
マウントの内径は物理的に致しかたなく、大きいほどけられにくいという事で、このレンズも物理的ぎりぎりまで広くとってある。
このしがらみから抜け出そうと、ニコンミラーレス、Zシリーズのマウント径は、他社よりも大きい物にしたのだろう。
この頃から絞り羽に円形絞りが採用されるようになった気がする。
開放からF5.6ぐらいまでは円形に近いが、F8まで絞ると角ばってくる。
短焦点レンズの魅力
単焦点レンズの良さは、なんといってもその写りの気持ちよさ!
とにかくスカッとクリアで気持ちよく写ってくれる。
ボケも前後とも自然だ。
単焦点レンズは設計が、その焦点距離に全て最適化されている。また、使っているレンズの枚数が少ないのも大きな理由だろう。
最近のズームレンズは、短焦点レンズの画質を凌駕したものもあるほど、非常に高画質になっている。
でも、その全ての焦点領域、フォーカス領域において画質を出すためには多少のつじつま合わせ、妥協が成されているように思う。
ズームレンズの多くは、MTF曲線は好成績で焦点面は非常にシャープでも、ボケがちょっと汚かったり、シャドー部がくすんでいたり、何かスカッと気持ちよく出てくれない。
MTFの値、「本当かよ!?」と思ったりするものも少なくない。
コーティングが良くなったからといっても、その使用レンズの多さは、多少なりとも画質に悪影響を及ぼしているのだろう。
その良くなったコーティング技術を取り入れた単焦点レンズ、もっともっと画質は良くなるという事なのだろう。
ニコン第三元のAFS Nikkor 70-200mm f2.8D とAFS Nikkor ED300mm F/2.8D の写りを比べれば、やはりズームはズームだなと感じる事が多々あるのである。
古いサンニッパと比べては、ナノクリスタルコートでうたっている70-200mmf2.8VR2でも勝負にならない。
ただ、今時のレンズ、どんなズームレンズでもピントさえ合っていれば、画質は全く問題ない。
この差は、趣味、こだわり、自己満足の世界。
一般の人が見て、違いが分かるほどのものでもないのだ。
ハイレゾ音源とCDの音を比べるのと似ている気もする。

開放付近からしっかりと描写してくれる、F3.5にて
レンズの味わいが良く出るのは、絞りを開けた時。
そのボケの出方、被写体の浮かび上がり方。
やはり最も重要だと感じるのは、写真全体の雰囲気。
絞りを何段も絞ってしまっては、ズームも短焦点もその差は殆ど感じないものになってくる。
大口径短焦点、開放付近の画質が最も高いものが多いのに対し、ズームレンズには絞るほど画質が上がるものも存在する。
どこかで画質的に逆転するものもあるだろう。

被写体が多少遠くとも背景を浮き立たせる事が出来るサンニッパ
野生動物や、野鳥の撮影ではシャッター速度を稼ぐために絞りを開けて撮る事が多い。
だから、絞り開放からしっかりと写ってくれるレンズが必要だ。
そんな暗い状況下でも、絞り開放からしっかりと写ってくれるレンズ。
それが、このAF Nikkor ED 300mm f2.8Dだ。
レンズの重さ
ニコン初代の超音波、超高速オートフォーカス内蔵レンズ。
重量は3,100グラムと、ニコンの出したサンニッパの中では最も重い。
他社サンニッパと比べても、最重量級だ。
次に出したサンニッパは、軽量化のためにボディにマグネシウムが使われたりして2.560グラムまで軽量化された。
その後手振れ補正機能が付いたりして再び重くなってしまったが、最新サンニッパは初代超音波モーター内臓サンニッパよりは軽い2.9キロに収まっている。
今どきの他社サンニッパと比べると、一回り重いが。
3.1キロの重さも、この画質と性能があれば、大して気にはならない。
本体があまりにも重いのが理由か、少しでも軽くするためなのか、フードはカーボンを使用している。
レンズ本体の重さと相まって、非常に軽いフード、何かしらアンバランスさを感じる。
フード

フード

サンニッパ、フード内面の処理
さすがはサンニッパのフード内面は、植毛紙で処理してある。
24-70mmf2.8や70-200mmf2.8VR2のフード内面はむき出しのプラスチックなので、是非このように反射の処理をしてもらいたいものである。
高価な第三元のレンズに関わらず、フードの内面は、若干のつや消し処理はなされているものの、平面むき出しのプラスチック。
どうしても手抜きの、物づくりだと感じてしまう。
ニコンさんそんな物作りをしていたら、ユーザーさん愛想をつかさにてしまいますよ。
初代サンニッパのフード自体には問題はないのだが、このフードの止めねじの受けの素材に問題があった。
ステンレスのねじの受けが、アルミニウム素材。
使っているうちに、削れてすぐにバカになってしまった。
新しいものに交換しても、再びすぐにバカになった。
仕方なく、フードをパーマセルテープでレンズ本体に固定したりして使っていた。
一般的に考えれば、アルミニウムが、力のかかる部位の、ステンレス製の止めねじの受けの素材に使えるわけが無い事は常識で分かるもの。
そんな素材を使ってしまうとは、どうしちゃったんだろうニコンさん。
そんな現場で苦労している事をニコンサービスで話すと、新しいものを無償で提供してくれた。
普段窓口では、ルーティンで機械的に対応する人ばかりにお目にかかる中、こういった話の分かる人に出会えたのはとてもラッキーな事。
窓口に限らず最近は、効率ばかりが優先されてるのか、世間話の一つもしようとしない店員に、よく出会う。
ニコンさん、ありがとうございます。
こんな対応を受けると、「ニコンを使っていて良かった!」と思ったりするのである。始めからそんな素材は使うべきではないのだが、こんな対応を受ければ悪かった印象もいい方へと一変するものである。
新しい部品は、ステンレス素材が使われていて、ハードに使ってもねじ山はびくともしない。
おかげでフードを下にサンニッパを立てられるようになった。
これが普通なのだが。
オートフォーカス
このレンズにはフォーカス切り替えスイッチが備え付けられている。
AFが一昔前とは比べ物にならないほど進化した昨今ではあるが、オートフォーカスが迷う事は、状況によっては今でも発生する。
そんな時、無駄にオートフォーカスが被写体の焦点面から遠くまで、動いていってしまうのを防いでくれるのがこのスイッチ。

∞-6mに切り替えて使う事は結構ある
オートフォーカスのスピードはすこぶる速い。
最近のサンニッパと比べてフォーカススピードが違うかは、比べた事がないのでわからない。
が、カタログには、時速50キロメートルの被写体を8メートルの距離まで追いかけられる速さ。
確かそんな事が書いてあったのを覚えている。
ブログで取り上げているオオタカの写真、その殆どはこのレンズで撮影している。
AFの速さは、今でも十分使えるほどに素早い。
D800Eでは、AFセンサーが反応するよりも、レンズのフォーカススピードの方が早い事が多々見受けられる。
世代を重ね、進化していったサンニッパのAF、スピードよりも、モーターのコントロール性が細かくなり、ピントの精度が上がったようだ。
このニコンのサンニッパ、フルタイムマニュアルで操作出来、なおかつ電源の要らない機械式。
望遠鏡として使ったり、拡大撮影に使ったり、その他いろいろな使い方にも対応出来る。
この機械式で、無電源で操作出来るというのは管理人にとっては非常に重要な点。
更に、フォーカスリングは、ギアで減速され、フォーカスのストロークが大きくとってあり、マニュアルでもピントが合わせやい工夫がなされている。
ただ、マニュアルで
ピンントを合せるにはもうちょっとストロークが欲しいところ。
ピントの微調整には、とても微妙なコントロールが必要だ。

フォーカス距離目盛は覗き窓式
AFでの最短撮影距離は2.5メートル、マニュアルでは2.3メートルほどまで近づけるようになる。
この後2001年に出た、AF-SⅡは2.3メートルまでAFが作動するようになった。
覗き窓から見れる距離情報、カメラ側から見やすい位置に印刷されている。
手振れ補正の必要性
暗い森での手持ち撮影、そんな場面、手振れ補正の必要性を感じる事はもちろんある。
でも、野生動物を撮っていて、手振れ補正が必要だと感じる事はあまりない。
理由は、レンズ内手振れ補正機能、やはり、レンズ故障、不具合の恐怖が常に付きまとう。
構造的に、手振れを補正するために、鏡筒から浮かせたレンズの群を上下左右にモーターを使って動かすわけだ。
その動きは、ジャイロセンサーによってコントロールされている。
1秒間をどれだけ細かく区切って、レンズのブレの動きを検出し、作動させているか知らないが、とにかく複雑怪奇、超精密な処理がなされているのは間違いないだろう。
普通に考えれば、レンズの最良の画質を出すには、全てのレンズが光軸上真ん中に並んでいる時だ。
固定されていない以上、電源を切っても、この浮いたレンズ、どこまでの精度で、光軸中心に戻っているか分からない。
多少ずれていないとも限らない。
ハードな使用をするには、故障の原因になるような機能はなるべく省かれた、シンプルで精度が出ているもの、狂いにくいもののほうがメリットがあると感じる。
僕のような、修理の出来ない国で、長期間のサファリや、背負ったカメラバッグの中で、機材がゆすられ続けるような使い方をする身としては、故障の原因になるような余計な機能は無いに越した事はない。
手振れ補正レンズの不具合が原因で、ピントが来なくなってしまっては、本末転倒だ。
もう一つの理由は、
手振れ補正の機能は、シャッター速度の十分速いときは、画質を優先してオフにして使うわけだし、シャッター速度が遅い状況下、多くは被写体ブレするわけだし。
実際、出番はあまり多くないと感じる。
便利な絞りリング
僕自身、写真レンズとして規定通り普通に使うのはもちろんだが、他の使い方もする。
マイクロフォーサーズのGH4を付けて動画で撮ったり、アイピースを付けて望遠鏡として使ったり、拡大撮影法で惑星を撮ったりと。
そんな時、非常に重宝するのがこの絞りリング。
ただ、プラスチック製で滑らかに動くとはいいがたく、シャカシャカプラスチックのこすれた音も発するので動画ではあまり使えない。

ニコンサンニッパの解像力は、拡大撮影法でも耐えられるほどシャープ
上の木星の写真、絞りは一段絞って撮影している。
開放だと若干フワっとなるものが、半段ほど絞ると、画質は引き締まってくる。
絞りリングが付いているのでそんな操作もワンタッチ。
空の状況、シーイングはすごく良かったわけではないので、実際の解像度はもっと高い。
300mmのレンズがここまで解像してくれる。
とにかく超高性能レンズだという事が出来る。
普通に300mmのレンズとして使うのであれば、どうみてもオーバースペックだろう。
究極なまでに光学性能を高められた超高性能レンズという事が出来る。
サンニッパでの惑星撮影の方法は、以前のブログで詳しく取り上げているのでこちらを参照。
テレコンバーター
AFI TC-20EとTC-14Eのテレコンを使って撮る事もあるのだが、この初代のテレコン、この超高性能の解像度を生かしているとはいいがたい。
TC-14Eはまだいいのだが、AFI TC-20Eテレコンを使うと、近頃の高性能ズームレンズに負ける画質に一気に落ちてしまう。
発色も、シャープネスも、ボケ味に関してまでも。
これは使っていて非常に残念に感じる。
古いマニュアルのテレコン、TC-301のほうが、高画質に感じるほどだ。
それとTC-14、シャープで発色はいいのだが、後ボケがリング状、2線ボケになる傾向がある。
現在、AFⅢと3代目になっているのだが、性能の程は買い換えるほどのものだろうか?
使っていないので分からない。機械式、絞り連動が使えるのは2世代目までか。
F2.8の明るさ
このF2.8という明るさ、夕暮れ時の野生動物はもちろん、天体写真でも結構重宝する。
星雲なども姿も、明るいので簡単に浮かび上がってくれる。

有名なM31アンドロメダ大星雲 サンニッパ開放で露出は2分
300mmの焦点距離でフルサイズでアンドロメダ大星雲を撮るとこの大きさ。
F2.8と明るいので、たった2分の露出で、ここまで浮かび上がってくれる。

渦巻銀河の細かな濃淡も再現されている
ちょうどいい大きさにトリミング。
2分間だけの露出で浮かび上がる、アンドロメダ銀河の渦巻き構造。
コンポジットなど何もせず、単写で、ここまで出てくれるD800Eのセンサーの性能には心底驚かされる。
こういった写真を撮るには赤道儀の使用は必須。
このアンドロメダ大星雲、M31には2,000億の星星、我ら銀河系のおよそ2倍の質量があるという。
250万年前に、アンドロメダを発った光が今、地球に届いたもの。
人類にとっては、非常に遠く長い期間。
でも、宇宙空間では、この我らが地球のある銀河系のお隣さん。
最も近い渦巻銀河だ。
今地球を出た光が、あちらに届く頃、人類はまだ地球上に生きているだろうか?
話がそれそうなので、レンズの話にもどるとして。

右上端をピクセル等倍で
アンドロメダ大星雲の写真の右上端をピクセル等倍で出力したものが上の写真。
若干の甘さは感じるものの、星は隅の隅まで点像。
画質の高さがうかがえる。
半絞りほど絞るとずっと引き締まる。
ニコンAF180mmf2.8も高画質のレンズだが、このサンニッパの星像は開放で全体にわたって180mmf2.8の半分ほどの大きさ。
300mmと焦点距離が長いにもかかわらず、同じf2.8で180mmよりもずっと高画質。
レンズの設計や、研磨精度、配置の精度などどれをとっても妥協をしていないレンズという事だろう。
まとめ
このサンニッパ、一つ欠点を上げるとすると、写り全てにおいて、出来すぎである事。
ボケに関しても、前ボケも後ろボケもフラットに同心円状に広がる。
シャープネスに関しても、開放から高画質なAF Nikkor ED 300mmf4Dの上をいき、なおかつオートフォーカスも速い。
手持ちでの撮影、手振れ補正の無い300mmf4は軽い分、思いの他逆にブレやすい。
それと比べ300mmf2.8は、レンズ単体で3キロを超え、体力は必要になるものの、結構ぶれにくい。
写りに癖が無く、画面の隅の隅までスカッとクリアに、とにかく完璧に写ってくれる。
多少の柔らかさがあり、カリカリにならないところも気に入っている。
これが大口径短焦点レンズの実力。
当然といえば当然だが、ズームレンズとは一線を隔する画質を出してくれる。
良く写る出来過ぎ君レンズという事だ。
マニュアルでの操作性に関しては、悪くはないのだが若干のスカスカ感があるのと、そのストロークがマニュアルで操作するには、まだちょっと小さい点。
フォーカスリングが鏡筒よりも若干出っ張っているので、微妙な操作は若干やりづらい。
それと、最短撮影距離が2.5メートルと、今時のレンズと比べるとちと遠い点。
絞りリングがあるので、昔のF3、F4などのマニュアルフィルムカメラでも全ての機能が使え、なおかつ最新デジカメでも超高速AFで使える。
こういった万能レンズは、他にはあまり無い。
手振れ補正が無いのは、上に書いたとおり信頼性の点で僕としては大きなメリット。
いずれにせよ、何でもこなす、超高性能万能レンズという事が出来るだろう。
この、超高性能万能レンズ、壊れない限りいつまでも使っていく事と思う。
使い方が一般とは若干ずれた視線でのレビューではあるが、何かしらレンズを選ぶ上での参考になれれば幸いである。
■
最後までお読みいただきありがとうございました。
関連記事
ニコン50mm f1.2のご紹介、とろけるボケ味と深い味わい