BLOG: Katte Kimama

岩本貴志の勝手気まま、ブログ

  • 岩本貴志

AFS Nikkor ED 300mm F/2.8 D、ニコン初代AFSサンニッパ、レンズレビュー

更新日:6月25日


1996年、同時発売されたニコンフラッグシップF5と共に



以前のブログで、50mmf1.2について、管理人の好きなレンズの1本だという事を紹介しました。


今回はそんなお気に入りレンズの紹介第2弾という事で、管理人の独断と偏見で、ニコンAFS Nikkor 300mm f2.8D について紹介します。


あまり参考にはならないかもしれませんが。思いつくまま、いろいろ書き連ねていこうと思います。


コンテンツ

  1. 使い始めて20年

  2. 300mmは標準レンズ

  3. 短焦点レンズの魅力

  4. レンズの重さ

  5. フード

  6. オートフォーカス

  7. 手振れ補正の必要性

  8. 便利な絞りリング

  9. テレコンバーター

  10. F2.8という明るさ

  11. まとめ




使い始めて20年


僕が野生動物や、野鳥の撮影で最も多く使用するレンズがこのAF Nikkor ED 300mmf2.8Dなのだ。

購入してから既に20年が経過している。


1996年に発売、ニコンとしては始めての超音波モーター内臓のレンズ。

当時はまだフィルムの時代、ニコンのフラッグシップF5の時代だ。


このレンズが発売される前にはAFIという、たしかコアレスモーターを内蔵されたレンズが販売されていた。


このAFIタイプのレンズは、ニコン始めてのレンズ内AFモーター駆動システム。

フルタイムマニュアルでの操作が可能になった、ニコン初めてのレンズでもある。


AFIレンズ使った事がないので、なんともいえないが、オートフォーカスはそれほど速く無かったようだ。



300mmは標準レンズ


野生動物を撮る身として300mmは、ある意味標準レンズ的存在。

だから、最も良く使うレンズの1本でもあり、思い入れも強い。


野鳥を撮るとなると広角レンズにあたるが、最近の高画素カメラと組み合わせれば、クロップしても一昔前の600mm以上の画質が得られる。

光学的にテレコンを使って拡大するよりも、センサーピッチの細かなカメラを使ったほうが結果が良かったりもする。


管理人自身、ズームレンズを除くと、このレンズの他3本の300mmを使ってきた。


今までに使った3本の300mm。

  • AF Nikkor ED 300mm f4S

  • トキナー AT-X 300mmf2.8 SD

  • AFS Nikkor ED 300mm F4D


トキナーレンズ以外は売り払わず、今でも使える状態でとってある。


ズームレンズは、シグマ120-300mm f2.8の初代のレンズを使っている。

このレンズはGH4を使った動画撮影でよく使う。実はとあるテレビ番組のチーター撮影でもこのレンズを使った。


AFS Nikkor ED 300mm F/4D (サンヨン)は今でも写真撮影で良く使う。

最短撮影距離が1.45メートルと非常に近く、寄った時の拡大率は、70-200mmf2.8Gのように小さくならないのでマクロ的にも使用でき、非常に重宝する。

70-200mmf2.8G VR2は最短撮影距離に近づくほどに焦点距離も短くなるようで、被写体を大きく撮れないので、ポートレートでの寄りは今ひとつ物足りない。

またこのサンヨン、太陽の撮影でも良く使っている。


トキナーレンズは、サンニッパでありながら重量が2キロちょっと、その軽量さとコンパクトさ、画質も高く、非常に気に入っていた。


ひとつ大きな欠点があり、周辺光量の低下が非常に大きいという点だ。


後部差込フィルターを使用しているのだが、そのフィルターサイズが2xmm?と非常に小さく、レンズの無理した小型化が原因だったのかもしれない。


でも、全体の画質は、古いニコンの300mmf4よりも、抜けや、色収差の補正は良かった思い出がある。

マニュアルフォーカスの操作性も、ストロークも程よく長く取ってあるうえ、全領域渋る事無く、非常にスムーズ。

最短撮影距離から無限遠まで、全領域小指一本でも操作出来る程の工作精度で、素早くピントを合わせることが出来た。


優れたファインダースクリーンのカメラであれば、殆どの被写体でオートフォーカスの必要性はあまり感じないもの。

このトキナーサンニッパのピントの合わせやすさは特筆に値するほどであった。

おそらく、他のどの300mmレンズよりもマニュアルでピントが合わせやすいレンズだったと思う。


当時のレンズの、部品加工の工作精度現行レンズよりも、かなり高かったのではなかろうか。



トキナー、サンニッパで撮った写真



ニコンも以前のサンニッパの後部差込フィルターは39mmと小さなものを使用していたが、超音波モーターを内蔵したころからは52mmを使用している。


周辺光量の低下も、以前のレンズと比べると小さくなっているのだろう。



フィルター径52mmの後部差込フィルター



この周辺光量の低下は、ボケの形に大きく現われる。

けられた周辺部分のボケがラグビーボール状に写る。

トキナーサンニッパのラグビーボールは、非常に細長いもので、相当絞らなければ丸くならなかった。

f4に絞っても、ニコン旧旧サンヨンの開放f4よりもケラレが多かった。更に絞っても結果は一緒だった気がする。

これが売り払ってしまった大きな理由だ。



ニコンAFS Nikkor ED 300mmF/2.8Dの絞り羽根

絞りの設定F8、羽の形



レンズ周辺部のボケの形で、レンズの周辺がどれだけけられているかが、わかる。


マウントの内径は物理的に致しかたなく、大きいほどけられにくいという事で、このレンズも物理的ぎりぎりまで広くとってある。


このしがらみから抜け出そうと、ニコンミラーレス、Zシリーズのマウント径は、他社よりも大きい物にしたのだろう。


この頃から絞り羽に円形絞りが採用されるようになった気がする。

開放からF5.6ぐらいまでは円形に近いが、F8まで絞ると角ばってくる。



短焦点レンズの魅力


単焦点レンズの良さは、なんといってもその写りの気持ちよさ!

とにかくスカッとクリアで気持ちよく写ってくれる

ボケも前後とも自然だ。


単焦点レンズは設計が、その焦点距離に全て最適化されている。また、使っているレンズの枚数が少ないのも大きな理由だろう。


最近のズームレンズは、短焦点レンズの画質を凌駕したものもあるほど、非常に高画質になっている。

でも、その全ての焦点領域、フォーカス領域において画質を出すためには多少のつじつま合わせ、妥協が成されているように思う。


ズームレンズの多くは、MTF曲線は好成績で焦点面は非常にシャープでも、ボケがちょっと汚かったり、シャドー部がくすんでいたり、何かスカッと気持ちよく出てくれない。

MTFの値、「本当かよ!?」と思ったりするものも少なくない。


コーティングが良くなったからといっても、その使用レンズの多さは、多少なりとも画質に悪影響を及ぼしているのだろう。


その良くなったコーティング技術を取り入れた単焦点レンズ、もっともっと画質は良くなるという事なのだろう。


ニコン第三元AFS Nikkor 70-200mm f2.8D とAFS Nikkor ED300mm F/2.8D の写りを比べれば、やはりズームはズームだなと感じる事が多々あるのである。


古いサンニッパ、単焦点レンズと比べては、ナノクリスタルコートでうたっている70-200mmf2.8VR2でも勝負にならない。


ただ、今時のレンズ、どんなズームレンズでもピントさえ合っていれば、画質は全く問題ない。

この差は、趣味、こだわり、自己満足の世界

一般の人が見て、違いが分かるほどのものでもないのだ。


ハイレゾ音源とCDの音を比べるのと似ている気もする。



開放付近からしっかりと描写してくれる、F3.5にて



レンズの味わいが良く出るのは、絞りを開けた時。


そのボケの出方、被写体の浮かび上がり方。

やはり最も重要だと感じるのは、写真全体の雰囲気。


絞りを何段も絞ってしまっては、ズームも短焦点もその差は殆ど感じないものになってくる。

大口径短焦点、開放付近の画質が最も高いものが多いのに対し、ズームレンズには絞るほど画質が上がるものが多い。

どこかで画質的に逆転するものもあるだろう。



被写体が多少遠くとも背景を浮き立たせる事が出来るサンニッパ



野生動物や、野鳥の撮影ではシャッター速度を稼ぐために絞りを開けて撮る事が多い。


だから、絞り開放からしっかりと写ってくれるレンズが必要だ。


そんな暗い状況下でも、絞り開放からしっかりと写ってくれるレンズ。

それが、このAF Nikkor ED 300mm f2.8Dだ。



レンズの重さ


ニコン初代の超音波、超高速オートフォーカス内蔵レンズ。

重量は3,100グラムと、ニコンの出したサンニッパの中では最も重い。

他社サンニッパと比べても、最重量級だ。


次に出したサンニッパは、軽量化のためにボディにマグネシウムが使われたりして2.560グラムまで軽量化された。

その後手振れ補正機能が付いたりして再び重くなってしまったが、最新サンニッパは初代超音波モーター内臓サンニッパよりは軽い2.9キロに収まっている。

今どきの他社サンニッパと比べると、一回り重いが。


3.1キロの重さも、この画質と性能があれば、大して気にはならない。


本体があまりにも重いのが理由か、少しでも軽くするためなのか、フードはカーボンを使用している。

レンズ本体の重さと相まって、非常に軽いフード、何かしらアンバランスさを感じる。



フード


フード



サンニッパ、フード内面の処理



さすがはサンニッパのフード内面は、植毛紙で処理してある。


24-70mmf2.870-200mmf2.8VR2のフード内面はむき出しのプラスチックなので、是非このように反射の処理をしてもらいたいものである。


高価な第三元のレンズに関わらず、フードの内面は、若干のつや消し処理はなされているものの、平面むき出しのプラスチック。

どうしても手抜きの、物づくりだと感じてしまう。

ニコンさん、そんな物作りをしていたら、ユーザーさんから愛想をつかさにてしまうと思いますが。


初代サンニッパのフード自体には問題はないのだが、このフードの止めねじの受けの素材に問題があった。

ステンレスのねじの受けが、アルミニウム素材。

使っているうちに、削れてすぐにバカになってしまった。

新しいものに交換しても、再びすぐにバカになった。

仕方なく、フードをパーマセルテープでレンズ本体に固定したりして使っていた。


一般的に考えれば、アルミニウムが、力のかかる部位の、ステンレス製の止めねじの受けの素材には使えない。

そんな素材を使ってしまうとは、どうしちゃったんだろうニコンさん。


そんな現場で苦労している事をニコンサービスで話すと、新しいものを無償で提供してくれた


普段窓口では、ルーティンで機械的に対応する人ばかりにお目にかかる中、こういった話の分かる人に出会えたのはとてもラッキーな事。

窓口に限らず最近は、効率ばかりが優先されてるのか、世間話の一つもしようとしない店員に、よく出会う。


ニコンさん、ありがとうございます。

こんな対応を受けると、「ニコンを使っていて良かった!」と思ったりするのである。始めからそんな素材は使うべきではないのだが、こんな対応を受ければ悪かった印象もいい方へと一変。


新しい部品は、ステンレス素材が使われていて、ハードに使ってもねじ山はびくともしない。


おかげでフードを下にサンニッパを立てられるようになった。

これが普通なのだが。



オートフォーカス


このレンズにはフォーカス切り替えスイッチが備え付けられている。


AFが一昔前とは比べ物にならないほど進化した昨今ではあるが、オートフォーカスが迷う事は、状況によっては今でも発生する。