
岩本貴志
D850とD800E、「いまでもD800Eを使う理由とは?」
更新日:2022年7月22日
この記事は、前回書いた、カメラの世代交代、D800EからD850への世代交代!「ミラーレスを選ばなかった理由とは?」の前半、趣旨から外れていた部分をまとめたものです。
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ニコン製、デジタル一眼レフカメラD850が発売されてしばらく経つ。

まだしばらくは現役と思われる愛機ニコンD800E
僕自身、D800Eを発売と同時に購入して以来ずっとメインカメラとして使い現在に至っている。
D850は発売以来かなり気になってはいたが、買い換えるほどのものでないと感じ、つい最近までずっとD800Eを使い続けていた。
というかまだまだ現役で使っていくつもりだ。
D800E、最近の機種と比べると機能的に見劣りするようになっては来たが、今でも十分使っていけるカメラだ。少なくとも僕にとっては。
JPEGの画質はいまいちだが、RAWで撮れば問題ない。
発色も階調も自然で僕好み、AF性能も一般的な撮影では十分で、まだまだ十分使っていける。
発売当初は画期的な3,600万画素と高画素、ローパスレスではないがローパスの効果を打ち消す形で配置され、圧倒的な切れ味。状況によってはモアレが発生するが、そんなに気にならない。
ブログに掲載している写真の殆どはこのカメラで撮った写真。
連写性能は、フルサイズで秒間4コマと、動きのある被写体に対しては、入門者向けカメラ並みで力不足。
それでも、写真を撮る道具としてのD800E、デジタル一眼レフカメラとしては既に完成の領域に到達しているカメラだといえると感じる。
発売から10年近く経つが、その間の写真を撮るカメラとしての進化は、高感度特性やら、AF特性などと、マイナーなものばかり。
基本的には、殆ど変わっていない。
画質に関しても20年前からの10年間の劇的な向上と比べれば、それほど大きな向上でもない。
D800Eはメーカーのサービス期限が今年2020年の12月に終わってしまうという。
お金をかけてオーバーホールする事も考えたが、おそらくこのまま使っていくと思う。
このD800E、購入から一度も開けていない。
一度開けて、人の手が入ってしまうと、それが将来故障の原因になってしまうかもしれないから。
ただ、シャッターは既に30万カットを超えているので。
オーバーホールと共にシャッターユニットを変えることも考えているので、まだ流動的。
流石にサービス期限の切れたカメラをメインとして使っていくのもなんなので、D850の値段もこなれてきた今、これからのメイン機種としてD850 を購入するに至った。
D780も考えたが、写真メインのカメラとして考えると、スペック的に写真を撮る力はD850のほうが上だなと。D850を選んだ。
ミラーレスのZ7を購入するという考えは全く無かった。
その理由については、
D800EからD850への世代交代!「ミラーレスを選ばなかった理由とは?」
に詳しく書いている。

メインカメラ引退のD800E アイピースには マグにファイヤーDK-17M+ダブルアイカップDK-3
上の写真、アイカップを2つ付けているのは目を押し付けてもペコッとへこまないため。
特に望遠撮影、ぶれないよう目を押し付けて撮る時重宝する。
D800Eに上のマグニファイヤーをつけると、ファインダー倍率はD850以上に大きくなる。
D850は単独でファインダー像も大きく見やすい。
試しにD850にマグニファイヤーを付けてみると、ファインダー像周辺部がけられて見づらくなってしまう事が分かった。
実質、マグニファイヤー使えないじゃないか!
もともとのファインダー倍率が大きいのがあだとなっているようだ。
マグニファイヤーを取り付けるとアイピースが飛び出て、鼻がボディに干渉しにくくなるので結構重宝しているのでちょっと残念だ。
ファインダー像の比較
アイピースに携帯カメラをくっつけて、「パシャリ!」

D800Eのファインダー像、マグニファイヤーDK17M使用
マグニファイヤーの影響で周辺部、糸巻き形にゆがんでいる。
これは見ていてそんなに気にならないので、携帯レンズとの相性かもしれない。

D850のファインダー像
ファインダー像は、ただ単に拡大すればいいというわけでもないのだ。
マニュアルでのピントは合わせやすくなるのに反して、画面全体が一度に把握出来にくくなるというデメリットもあるのだ。
僕自身、被写体に応じてマグニファイヤーをつけたりはずしたりしている。
動き物の時ははずす事が多いかな?
でもそんなにこだわらないが。
上の写真を比べると、マグニファイヤーを取り付けたD800Eの方がファインダー倍率が、一回り大きくなっているのが分かる。
ファインダー内、表示情報
個人的にはD800Eの暗い緑色のほうが好みだ。
とにかくスクリーンに投影される、被写体の確認に邪魔にならないという配慮を感じる。
暗いところでもあまりまぶしく感じない。
D850はD800Eよりも青みがかかり明るく見やすくはなったが、多少目障りになってしまった。
被写体に集中する時ちょっとまぶしく目障りだ。
見ようとしない時に見えなくなるぐらいに目障りでないのがちょうどいい。
いつも思うのだが、
このマニュアルの露出計のバーゲージ、プラス、マイナス、2段は範囲が狭すぎる!
3段にしてもらえないものかな?
だから、シャドー側3段の範囲を見るため、露出補正ダイヤルをマイナス1段に設定して撮影する事が良くあるのだ。(マニュアルモード)
そんな事ユーザーにさせるのは、よろしくないと思いますが、ニコンさん。
D800Eをまだまだ使っていく理由を列記してみた
1、手持ちのソフト、アドビフォトショップCS6でRAW現像が出来る事、
フォトショップCS6ではD850のRAW画像は編集出来なくされてしまった。
毎月課金されるCCには今のところ換えるつもりは無いし。
まだまだCS6を使っていくつもりだ。
ただD850のJpeg画像、D800Eと比べて品質は良くなったように感じる。
撮って出しで十分使える!
D800Eシャドーがガサガサし、つぶれる感じ。
この画質があれば、これから一般的なものであればJpegで撮影する事になるかもしれない。
RAWで撮る必要がある時、しばらく、ニコンの純正のCaptureNXを使う事になりそうだ。
2、フラッシュが内臓されている事、
D800Eの内臓フラッシュはコマンドモードのコントローラーとしてワイヤレスで多灯発光する場合、非常に重宝する。
D850でコマンダ発光する場合、手持ちの機材ではフラッシュ1灯を犠牲にするか、ケーブル接続しなければならない。
別売りでSU800ワイヤレススピードライトコマンダーというものがあるが、サイズも大きく、値段もフラッシュが一つ買えてしまえるほどに高い。
たまにしか使わない僕にとって、ちょっと買うのははばかれる。
こんな事かいちゃダメですね。ビンボーカメラマンなので許してください。
機材導入、するかしないか決めるのに、費用対効果、とても重要です。

D850では省略されてしまった便利なコマンダー発光機能
そんな別売り商品を購入する事無く、D800Eはコマンダ発光を可能にする。
それも内臓フラッシュを別にすると2グループ、4チャンネルに分けて自由自在に発光調節出来る優れものだ。
発光の細かな調節が個別に可能で、Aグループをマニュアル発光で、BグループをTTLで発光したりと。
さらに、マニュアルの発光量を、フル、1/1.3、1/1.7、1/2とSB800本体でも出来ないフル発光付近での微調整までも可能になる優れ物。(SB800の本体でのマニュアル光量調整、Fullの次は1/2、それ以下は1/3段ごとの調整可能)
わざわざフラッシュ本体まで、出向いて発光量の調節を繰り返す必要が無くなり、素早くライティングのセッティングも出来、撮影効率が上がり非常に便利。
勿論、ポップアップストロボとしても非常に便利。
逆光での撮影、夜間撮影のスナップ、とても重宝する。
3、オートフォーカス補助光機能がついている、
D800EにはAF補助光ライトが付いているので、暗闇でも照明無しで確実に簡単にピント合わせが出来る。
D850ではそんな便利なAF補助光機能が廃止されてしまった。
暗い状況下、D850では片手で携帯の懐中電灯で被写体を照明したりとけっこう面倒。
そういった暗い状況下では大抵三脚を使用しているので、そんなには苦でないが。
フラッシュを付ければAF補助光が照射されるが、フラッシュ発光したくない時は、電源を切らなければならず、あまり実用的ではない。
AFSモードで、外部フラッシュの補助光を使ってピントを合わせてから、フラッシュの電源を切って撮影?
そんなことするか。
D850 手持ち撮影出来るほどの明るさがあれば、補助光無しでピントは結構決まる。
だから、AF補助光無くしてしまったのかな?
でも、暗い状況下コントラストが小さい被写体ではオートフォーカスが迷ってしまうので、AF補助光はまだ必要と感じる事は非常に多い。
4、使い慣れたカメラは使いやすい、

カメラを構えながら発光量の微調整が出来る、フラッシュ調整ボタン
長年使い慣れたカメラは使いやすい。
手足のようにカメラを操作出来る、要は慣れの問題。
露出のAモードとMモードの切り替えをけっこう行なうのだが、モードボタンの配置が変わってしまったので、今だよく間違えてしまう。
D850ではそのモードボタンは感度ボタンに割り当てられている。
ISO数値撮影中よく変えるので、慣れれば、全て右手で操作出来るのでより使いやすくなるだろう。
モードの切り替えは、逆にやりにくくなってしまうが。
個人的にモード設定、A→M→Aとか結構切り変えるので、一長一短という事だろう。
よく使っていたフラッシュの調整ボタンも廃止されてしまったので、ちと不便。
D850では露出ブラケットボタンに割り当てられ、変更は可能だが、フラッシュの設定には使えない。
フラッシュが内臓されてないからいらないのかな?
もともとD一桁、プロ機には付いていなかったボタンだし。
5、長年使ってきた信頼感、

見慣れたカメラ背面
D800Eは長年の使用で、その癖も良く分かっているので、どうすればちゃんと撮れるかという信頼感がある。
使うAFモード、使えないSDカード、露出の癖、電池のもち等等。
D850は、まだ使用し始めて間もないので、その特性、癖もまだ分からず、全ての機能が作動するという確証がまだもてていない。
カメラとの信頼関係がまだ築けていないという事かな。
思いつくままかいてみたが、だいたいこんな感じ。
という事で一般的な撮影ではD800Eがまだ優位になる事は多々あるのである。
重要な写りに関しても、まだなんとなくとしかいえないけれど、状況や、被写体によってD800Eのほうが、微妙ではあるがトーン、質感が上回る事もあるように感じる。
高画素数化、高感度化の弊害だろうか。
まだ使い始めて間もないD850,そのボディに秘めた力は上に列記した内容を大きく上回るメリットを秘めたカメラだと感じる。
まだ試していないものばかりなので、人からの受け売りだけれど。
例を挙げると
暗い状況下での高感度ノイズ特性、