- 岩本貴志
「カイツブリ観察日記」13、4羽いた雛、今残るは1羽だけ
最終更新: 2020年10月29日
このブログでは、東京都、井の頭公園のカイツブリという鳥に焦点を当てて、そこで見られた出来事を写真とともに管理人独自の視点で紹介しています。
雛が襲われてから3日後の8月8日、ひょうたん橋の巣は空っぽ、遠く鳴き声は聞こえるが、なかなか帰って来ない。
全滅してしまったのかもしれない。
しばらくすると親鳥が帰ってきた。
背中には雛が乗っているが、1羽しかいない。
あれからまた1羽やられてしまったようだ。
最後に残った1羽は、今までになく大事に育てられているようだ。

ねむいけれど、おんぶしてもらってご機嫌の雛、前が見たいのは人の子供と一緒
親鳥は雛が単独で水面を泳ぐのがどれだけ危険なのか学んだようだ。
雛をよくおんぶして外出するようになった。
また、巣の周辺にはカメが少なくなっている、親鳥はカメを追い払っているのかもしれない。

休んでいるスッポンに抗議する親鳥、スッポンは頭を引っ込ますが、考えた末去っていった

巣の近くでも油断は禁物。「危ないぞ、早く巣へ!」
雛も成長して一回り大きくなったので、もう簡単にはカメにやられないだろう。
周囲を警戒しているようだし、カメの危険は十分承知しているはずだ。
それも今は無き犠牲になった兄弟たちのおかげだ。
しかし、油断は禁物。
今は、親鳥の愛情を一心に受けて、今まで分配されていたご飯を独り占めしいっぱい食べている。

羽毛をたっぷり膨らませ、たっぷりと雛を甘えさせてあげる親鳥、
雛が3羽いた時には考えられなかったほどに、親鳥は雛に愛情こめて接している。
最近このあたりでは、水が濁ったからか、餌が捕らえにくい。
親鳥には雛を3羽育てる自信が無いので、もしかしたらあえて雛を危険な目にさらして、自然の掟にしたがって強い者を選別してもらったのかもしれない。
場所を七井橋に移して、
七井橋の雛たちは順調に3羽全てが育っている。
親鳥は雛をつれてよく散歩に出かける、距離も日に日に巣から遠ざかる。

3羽平等に背中に入れてあげる親鳥、雛たちは成長し、そろそろ窮屈になってきた。
猟がうまいのか、餌が豊富なのか、親鳥はひょうたん橋とは比べられないほど頻繁に餌を捕まえて雛たちに与えている。
ひょうたん橋の周辺と比べるとこちらのほうが水が澄んでいるようだ。

3羽とも元気にすくすくと成長している。
最初は最も危惧されていた七井橋の子育て。
実際は最もうまくやっている。
この親鳥たちは、雛たちを外敵の脅威からうまく守っている。
おそらく子育ての経験が豊かなのだろう。
つづく