- 岩本貴志
「カイツブリ観察日記」17、親を真似て学習
最終更新: 2020年10月29日
このブログでは、東京都、井の頭公園のカイツブリという鳥に焦点を当てて、そこで見られた出来事を写真とともに管理人独自の視点で紹介しています。
七井橋の雛は2羽とも順調に成長し、行動範囲もだいぶ広くなった。

巣の補修をする雛
以前巣が水没してしまい、親鳥が急遽作り直した事があった。(カイツブリ観察日記13、参照)
雛はその一部始終をちゃんと見ていたようだ。
雛の一羽は、巣の近くに漂う巣材になりそうな葉っぱやビニール袋の切れ端を集めて何度も巣の上に乗せては巣を修復した。
親鳥さながらの手馴れてた手(くちばし)つきだ。
この雛が無事に育ったら、まめに巣を修復するいい親鳥になれそうだ。
兄弟性格は違っていて、もう一羽の雛は巣の修復などせず知らん振り。
この雛は弁天橋のカイツブリのように巣作りがなかなか上手くいかない親鳥になるのだろうか?(カイツブリ観察日記4,7、参照)
親鳥のやる事を見よう見まねをしながら、少しずつ色々な行動を覚えていくのだろう。
真似るか真似ないかは雛しだい、幼いながらも全ては自己責任だ。
親鳥は学ばない子を怒ったりもしなければ、よく学ぶ子を褒めたりもしない。

巣から離れ、ボート池で過ごす事が多くなった
巣に戻る事は少なくなり、ほとんどの時間を池で泳いで過ごすようになった。
雛たちは親鳥にずっと付いてまわる。
えさを捕る為のトレーニングを始めたのだろうか、親鳥は時々雛に餌を与えない。
雛がお腹を減らしているのは十分承知の上での行動だろう。
親鳥が水中から出てくると、えさがもらえると雛が近寄ってくるのだが、雛が近寄ると親鳥は再び潜って何処かへ消えてしまう。
2羽の雛とも潜水は上手く出来るようになったけれど、えさはまだ親頼り。
お腹はペコペコだ。
少しずつ雛は、潜っていく親鳥を水中へ追いかけていくようになってきた。
これも親鳥の狙いだろう。
親鳥はきっと水の中で、雛に魚の捕まえ方などを伝授しているのだろう。

こちらはおそらく母と子
日中は両雛ともずっと親鳥に付いて行動するが、最近は日暮れ近くになると両親それぞれが雛を別々に世話している。
お父さん子、お母さん子が別れて行動しているのだ。
最初に潜水を覚えたちょっと大きい雛の方がお父さん子じゃないかと、管理人は勝手に思っている。
いつも、遠出してなかなか戻ってこないからだ。
行動を別にするのは、夫婦教育方針にかみ合わない点があるのかもしれない。

ガマの藪の中を塒に
日も暮れる頃、別々に過ごしていた雛、夫婦は再び塒を共にする。
やっぱり家族だ。
雛は水上で夜を過ごせるようになったようで、最近はガマの藪を塒にしている。
今日も無事に一日が終わった。
秋はもうすぐそこ、雛たちには無事に育ってほしいものだ。
つづく