
岩本貴志
「カイツブリの子育て」その4、あきらめない巣作り
更新日:2022年7月26日
このブログでは2017年、井の頭公園のカイツブリの繁殖、子育て奮闘の様子を、写真と共に紹介しています。

全ての雛を失ったカイツブリ、新しく巣を作り始めた。
ヒナを全て失ったカイツブリの親鳥2羽は、早速次の繁殖のための巣を作る場所を探していた。
池の周囲巡回し、巣材がうまく引っかかるような巣作りに適した場所を探しているようだ。
最初に目をつけたのは、水没した巣から程近い、水面に少しだけ頭を出ている木の杭。

ヒナを失ってから3日後、その杭に新たに巣を作り始めた。
夫婦そろっての共同作業。
前回繁殖に失敗した巣のすぐ近くなので、主に前回使用した巣から巣財を運んでくる。
いまにでも流されてしまいそうだ。
大丈夫だろうか?
カイツブリ夫婦、相当あせっているように見受けられる。
死んでいったヒナたちを忘れようとでもしているかのように一心不乱に作業を続けた。
心配していた通り30分も持たず、巣材はすぐに流されてしまった。
こんな場所、どう見ても、上手くいきっこ無さそうだし、ある意味すぐに流されてしまって良かったかも知れない。
そして、あきらめずに場所を変え、次の巣を作り始める事になる。

今度こそ巣作りはうまくいくだろうか 。
数日後、今度はちょっと離れた狛江橋のたもとに巣を作り始めた。
場所は、前回の巣の場所から130メートル下流側だ。
今回作っている巣は、前回、前々回の巣よりもしっかりしている。
夕暮れ後暗くなるまで、2羽で協力しながら一心不乱に巣を作り続けていた。
潜っては巣材を運び新しい巣に乗っけていく。その繰り返し。
そんな作業は、日が沈み暗くなっても続けられた。
翌朝、巣は完成したかと現場に行くと、なんと巣は放棄されていた。
夜に、きっと何かあったのだろう。
今度こそ大丈夫かと思ったのに残念だ。

現在進行中の巣
そして今度は弁財天の向かいに新たに巣を作り始めた。
今度こそうまくヒナを育てて欲しい。
■
つづく
次回は、井の頭公園に生息する、他のカイツブリ家族を取り上げます。
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