- 岩本貴志
「続、カイツブリ観察日記」11、ヒナたち
最終更新: 2020年11月13日
このブログでは、2018年に東京、井の頭公園で繁殖したカイツブリの子育ての様子を、写真と共に紹介しています。

いっぱい食べて大きくなあれ!
水生物園の裏の巣では、危惧していた最後の卵も無事に孵りました。
全部で5羽の雛たちはみんな元気に成長し、最近は、親鳥と共に巣からちょっと離れるようになってきました。
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雛たちの成長の早さには驚くばかり。
彼らは既に巣を離れて親たちと一緒に泳ぎ出した。
最初の卵が孵ってから最後の卵が孵るまで1週間ほどの開きがあるので、雛の大きさはけっこう違う。
大きなお兄ちゃんだかお姉ちゃん、既に頭を水につけて潜ろうとしていた。
小さな弟だか妹は、まだまだ、お父さんとお母さんの背中にしがみついて離れたくないようだ。
お父さんカイツブリ、漁に出かけるため潜ろうと、背中に乗っかるヒナに降りてもらおうと羽をばたつかせる。
でも残る1羽はどうしても降りたがらない。
するとお父さん、ヒナを背中に乗せたまま潜ってしまった。
あららら、大丈夫かな?
心配したけど何の事はない、小さなヒナはすぐにプカリと浮いてきて、そのまままっすぐ兄弟たちに合流。
彼らは巣から離れて御茶ノ水のほうをゆっくりと一回り。
その間、親鳥は何度かエビや小魚をヒナたちに与えていた。
水底では爆発的に小動物が増えているようだ。
日が当たると、細かい泡が、あちこちから湧き出てくる。
日光を浴びた水草が、光合成で水中に放出している酸素だろう。
親鳥は難なく餌をつかまえてくる。
ヒナたちは、みんなおなかいっぱい、すくすく成長する事だろう。

その時、カイツブリの上を低くカラスが飛んだ。
お母さんカイツブリは、警戒声を発し、相方を呼んだ。
難は逃れたが、カラスに目をつけられているのは確か。
餌の事よりも、ヒナを外敵から守る事のほうが大変そうだ。
敵はカラスだけではないのだ。
しばらく泳いでから、みんな巣に戻った。
小さなヒナたちにとって、まだまだ巣は大事な拠点、しばらく泳いだ後は巣の上で長いお休みタイム。
みんなで、仲良くお昼寝。
その間、親鳥も一息つける事になる。

やっと泳げるまでに成長した雛たち、親鳥たちはますます大変になっていく
つづく ■
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