- 岩本貴志
「続、カイツブリ観察日記」13、ヒナの食事の内容
最終更新: 2020年11月13日
このブログでは、2018年に東京、井の頭公園で繁殖したカイツブリの子育ての様子を、写真と共に紹介しています。

与えられた餌、今回はオタマジャクシ?水生物園ファミリー 6月8日
今回はヒナたちがどんなものを食べているのか紹介します。
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6月8日現在、水生物園のヒナたちは全て5羽、元気に育っている。
親鳥に守られ、餌も十分に与えられているようだ。
今でも巣の上で餌を与えたりしているけれど、ヒナたちが泳げるようになった今、親たちはヒナを連れて外出。
ヒナたちは思いっきり泳げて、いろんなものが食べられるのでとても楽しそうだ。
遠足にでも行く気分なのだろう。
親鳥としても餌も捕まえてはすぐ与えられるので、効率もずっといい。
池に魚影が見えないと心配していた餌事情、
池の中では小動物が大量に育っているようで、今のところ問題なさそうだ。
けっこう簡単にしとめていた魚のようなもの、「なんだろう?」とよく見てみるとオタマジャクシのようだ。(ナマズの稚魚かもしれません)
柔らかく栄養満点、ヒナはぺろりと飲み込んだ。
ヒナが孵る前も親鳥たちはよくこの場所に餌を捕るため、まっすぐに出かけていた。
理由はきっと、カエルがこの近辺で産卵し、オタマジャクシが大量に発生しているからなのだろう。
喧嘩の絶えないお隣さんも、ここのオタマジャクシを狙ってやってきていたのかもしれない。
(この狩り場を共にする、お隣さんとは、これからいろいろな問題が起こる事になります。)

トンボも大好物だけれど、飲み込むのは一苦労
お父さんカイツブリに見守られトンボを飲み込もうとする雛。
兄弟みんな、順番に餌がもらえる事を心得ていて、争う事無く自分の順番をじっと待っている。
みんなけっこう行儀がいい。
次は僕の番だ!と分かっているのかな?
それでも兄弟が食べている時は、うらやましそうにじっと眺めている。
親鳥はトンボなどの硬くて大きな餌は、何度も水面にたたきつけたりかじったり、柔らかくして、ヒナたちの食べやすいサイズになるまで調理してヒナにあたえる。
それでもトンボの体は頑丈で、ヒナたちはなかなか飲み込めない。
親鳥は様子を見てその都度更に柔らかく、小さく、食べやすくなるよう、水にたたきつけ再調理。
親鳥は雛が餌を完全に飲み込むのを見届けるまで、じっと雛を観察。
こぼれた餌を拾ってくれたり、雛が餌を食べるのを手伝ってくれる。
子煩悩なカイツブリである。

おなか空いているのはだあれ?
大きな餌を食べた後のヒナの食欲は減衰。
親鳥が餌を捕まえると、おなかが空いているヒナがこぞって餌をもらいにやって来る。
親鳥も、どのヒナがどれくらいおなか空いているのか見極めているのだろう。
ヒナたちは、おなかがいっぱいになると眠くなるのか、動きが鈍くなる。
親鳥はそれをみてとると、少しずつ巣の方向へ移動。
そろそろお昼寝タイムだ。

ザリガニの尻尾の部分かな?
巣の近く、お昼寝前に最後に捕まえたのはザニガニ。
すでに尻尾の部分だけだ。
頭は調理の途中親鳥が食べたのかな?
オタマジャクシもトンボも季節のもの。
旬な食べ物といえるかな。
そう考えると、彼らが食べているもの、全ては旬の食べ物か。
旬という事は、時期が過ぎると捕れなくなってしまう。
現状、エビのしめる割合も少ないようだ。
今のところ、魚はいるにはいるが数は少ないようだ。
カイツブリのヒナの餌、現状豊富だが楽観できるものではなさそうだ。
今後、かいぼりを行なった池がどのように生態を取り戻していくのか非常に興味深い。
カイツブリを通して見守っていきたい。
つづく ■
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