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岩本貴志の勝手気まま、ブログ

  • 岩本貴志

「続、カイツブリ観察日記」25、誘惑

最終更新: 11月12日

このブログでは、2018年に東京の井の頭公園の池で繁殖したカイツブリの子育ての様子を、写真と共に紹介しています。


雛のために餌捕りに出かけるメス 6月28日



4羽のヒナを孵化させる事を成功させた七井橋ファミリー。

そこには危機が迫っているようだ。

目が点になるメス、 正面に現れたものは?

七井橋ファミリーに訪れた次なる危機は外敵でなく、お隣さんのカイツブリ。

お隣さんは、水生物館裏で5羽のヒナを返したカイツブリ。

井の頭公園では今年初めてヒナを孵す事に成功した。

理由は分からないが、5羽のヒナは放棄されてしまった。

ヒナを放棄して以来、2羽は七井橋の東側、ボート乗り場の近くをうろついている事が多いようだ。

その周辺に巣を作ろうとしているようだが、どうも上手い場所が見つからないように見える。

夫婦間、仲が良くないのか、お互い力を合わせて巣を作る気があまり無さそうだ。

そのオスがどうもここ、七井橋ファミリーのメスにちょっかいを出している。

こちらのメスもそのオスが気になっているようだ。

上の写真、七井橋ファミリーのメス親(推定)は、獲物を探しにしてか橋の方へと出かけた。

このメス、潜らずゆっくり泳いでいる様子から、どうもその元水生物館のオスに会うのも目的のようだ。

そわそわしながら水面を泳いでいると、その正面にそのオスが現れた。

オスも狙って水中から、七井橋のメスの真正面に表れたのだろう。

オスが現れると、メスの表情は一瞬にして変わった。

目が点になり、頬の赤い部分を膨らませた。

頬の赤い部分、興奮するとタンチョウのように羽を逆立て膨らませるようだ。

けんかをするのかと思いきや、じゃれあっているようだ。

追いかけられているほうは、追っ手を見ながら首を傾ける。

頬の赤い部分がよく見えるようにしているのかな?

追いかけるほうがメス、追いかけられるほうが侵入者のオスのようだ。

最後にお互い鳴き交わした。奥が七井橋のメス。

しばらく追いかけっこのようなじゃれあいをした後、

最後の締めにお互い鳴き交わした。

「キャッリャリャリャリャリャリャ・・・・・・・」

その間ずっと侵入者のパートナーのメスは、ボート乗り場の方からオスを呼び続けていた。

七井橋のオスはその事に気づいていないように見えた。

縄張り争いの時は常に勝ち越していたお隣さんのオス。

うちの旦那より強そうだ。


七井橋のメス、そこに魅力を感じているのか?

強い親からは強い遺伝子、弱い親からは弱い遺伝子が子へと引き継がれる。


これから産まれてくるヒナ、強いにこしたことは無い。

相手方のオスも、もしかしたら子育てがあまり上手くないメスに不満を感じていたのかもしれない。

もしや、前回5羽の雛を放棄した原因も、この事が原因だったのかもしれない。

さてさて、4羽のヒナはこの後無事に親鳥に育てられるのだろうか?

ちょっと心配になってしまう。

次の日、七井橋のヒナは餌をもらっているようだが、世話をしているのは1羽だけ。

もう1羽の親はどこに行ってしまったのだろう?

何か危機があったようだ、雛を守る親鳥 6月29日

ヒナを守っているのはどうもオスのようだ。

2羽のヒナはおんぶしてもらい、おんぶしてもらえなかった2羽は親鳥に寄り添う。

何かに警戒している。

何に警戒しているかといえば、強風であおられ近くに落ちてきた木の枝。

大きな音と水しぶきを上げ水面に落ちた。

みんなびっくり、ひと固まりになった。



先に行く親鳥に追いつこうと、 4羽のヒナは風と波に向かってがんばって泳ぐが。6月29日

しばらくして危険が去った事を確認すると親鳥はヒナを置いてどこかに行ってしまった。

「まってー!」親鳥は雛たちの声を無視してどんどん行ってしまう。

ヒナたちは一生懸命に泳ぐが、風と波が強くてなかなか前に進まない。

親鳥はどこに行ってしまったのだろう?

雛にとっては大きなうねり、遠くに行ってしまった親鳥はなかなか見えない。 6月29日

この日はとても風が強いかった。

風によって池には大きな波が発生。

この程度の波でも雛にとってはとても大きな波。

大きなうねりのようだ。


視界も効かず、遠くが見えなそうだ。

長い時間、親鳥は雛をほったらかし。

大丈夫だろうか?

外敵にやられそうで、心配になってしまう。

疲れてきった雛たちは流されるまま、辿り着いたのは池の真ん中 6月29日

風が強く、池の水の表面はゆっくりと渦を巻いている。

疲れきった雛たちは流されるまま、池の真ん中にたどり着いた。

そこには水草やごみも大量に集まっている。

外敵の亀なども潜んでいそうな危険な場所だ。

しばらくして親鳥がやってきて、雛たちは無事に救出された。

今回は難を逃れたヒナだが、毎回こういうわけにはいかないだろう。

生きていくうえで、運も重要な要素だが、今回はとても運が良かったといえそうだ。

こう見ると、鳥の仲間のほとんどがなぜ一夫一妻なのかが伺える。


成長するのに大量の餌を必要とするヒナ。

夫婦の協力が無ければヒナの餌は十分まかなえず、外敵の危険からも守れない。

親鳥の浮気は雛の死に直結。

簡単に淘汰されてしまうことになるのだろう。

哺乳類、多くは乱婚。

生き方は鳥類と、まるで違うようだ。

つづく ■

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