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岩本貴志の勝手気まま、ブログ

  • 岩本貴志

ニコン、ゴーヨン(500mmf4望遠レンズ)での惑星撮影、木星と土星のランデブー

最終更新: 28分前


かなり細部まで浮かび上がった木星 右下の隅に大赤斑が見える



以前サンニッパ300mmf2.8)での惑星のか撮影したについて、ご紹介しました。


今回はその第二段、としてゴーヨン(500mmf4)での惑星撮影についてご紹介します。

惑星の撮り方のひとつ、こんなやり方もあるんだと、読んでいただければ幸いです。


今年2020年、7月後半、明け方の空には、水星から、海王星までの全ての惑星が勢ぞろいする、というにぎやかな空だったようですが、管理人自身は見る事は出来ませんでした。


秋には、火星地球にかなり接近します。前回2018年の大接近の9割ほどの大きさで見られる準大接近となります。

12月22日には、木星と土星が見かけ上超大接近します。巨大惑星の木星が、こちらも巨大惑星土星を追い越していく、惑星節目の年にあたります。


太陽活動の低迷と、惑星の節目の年が重なり、人類の経済活動も、なぜかそれと呼応するかのように大きな変化の時を迎えているように見えます。


次回の木星と土星の会合は2040年、20年後の事となります。


木星と土星のランデブー


今年2020年、しばらくの間、夜空では木星と土星が見ごろ。

ほぼ一晩中、その姿を見ることが出来る。

12月22日には、せまい望遠鏡の視野に一緒に入るほど大接近。

それまでの期間、日々距離を縮めていく、木星と土星。


という事で、ナイロビの空も短いながら晴れ間が覗くようになって来たので、惑星撮影の、リベンジを行う事にした。


今回はサンニッパではなく、ゴーヨン500mmf4の望遠レンズで惑星撮影の再チャレンジ。



今回の撮影システム


サンニッパ300mmと比べれば、ゴーヨンは500mm。

焦点距離も長く、口径も大きく、惑星を撮影すれば、ずっと細部まで写る事と思われる。


口径はサンニッパの107mm、F2.8に対して、ゴーヨンは125mm、F4

F2.8に対してF4、レンズのパワーも余裕がある事だろうから、高倍率での高画質が更に期待出来る。


という事で、ニコンのマニュアルのAi Nikkor ED 500mmf4PVixenの、NPL6mmのアイピースを取り付けた、拡大撮影法で木星を撮影する事にした。



このレンズについてちょっとだけ説明


このAi Nikkor ED 500mm F4Pは、1988年3月に発売.

一番後ろにPの文字が付いているのは、マニュアルレンズでありながらレンズ情報を電子的にカメラと通信する事が出来るレンズ。

ニコンからは3本しか発売されていないちょっと珍しい形式の一本だ。

オートフォーカスに移行する前には、プロ 御用達の評判の良かったレンズ。

レンズ構成は、6群8枚一枚の保護ガラスが加わる。39mmの後部差し込みフィルターが使える。


管理人がこのレンズを購入したのは確か1994年

特殊低分散ガラスのEDレンズが使われた短焦点望遠レンズ、写りに関しては今でも十分使っていけるほどにシャープでボケもきれい、とにかく画質がいい。

発色は50mmf1.2と同等の発色とコントラスト。

いわゆるニコンカラー。

コントラストが若干高めで、クールで渋い発色をする。

ナノクリを使った新しいレンズの発色よりも、管理人はこのクールな発色が気に入っている。


最近のレンズ、コーティングが良くなり透過率がものすごく高くなり、レンズ内の迷光遮光処理も十分気が使われた結果、どのメーカーのどのレンズも発色などの違いは殆ど見られなくなったように思う。

甘みばかりで、酸味が無くなった果物の感じ。

味気なくなったという事だろう。


この500mmレンズ、重量的には初代AFSサンニッパよりも軽いのだが、鏡筒がとても長い。

流石にスカイメモTでは無理だという事で、架台はビクセン、スーパーポラリス赤道儀を使用した。



長いシステム、たわまないようにサポートを取り付けた



このスーパーポラリス赤道儀、購入したのは1985年、管理人がまだ小学生6年だった頃、ちょうどハレー彗星が来たちょっと前だ。

小学生にとって非常に高い買い物、お年玉にプラスして、親戚の方々にカンパをお願いして購入したもの。

当時の日本はバブル前の絶頂期、皆羽振りが良かった時代だったから可能だったのだろう。

また、Made in JAPAN、ものづくりの時代。入門機にしろ、コスト削減よりも良い物を作ろうと、製品一つ一つに職人の魂が入っていた時代。


当時購入したセットの鏡筒は102mmアクロマート屈折望遠鏡

赤道儀だけナイロビに持ってきているが、鏡筒は多少レンズにカビが生えているが、今でも日本で健在。


鏡筒も赤道儀も非常にしっかりと作られているので、35年経った今でもびくともしない。

もちろん日本製、で保障は5年間。


そんなスーパーポラリス赤道儀、今でも大事に使っている。

今年、息子の年齢が、ちょうど望遠鏡と赤道儀を購入した時の管理人の年と同じだ。



撮影方法は以前紹介したとおり。

レンズとカメラの間に、アイピースを挟みこんでの拡大撮影法で撮影した。

違いはレンズが300mm500mmと焦点距離が長くなった点。


このシステムによる拡大撮影法の総焦点距離を計算すると。


500 x (120 ÷ 6 - 1) = 9,500 mm

マイクロフォーサーズなので、35mm判に換算すると19,000mm相当。


画角は前回の11,400mmよりもかなり狭くなる。

惑星を視野の中に入れるのは至難だが、今回は微動装置の付いた赤道儀

自由雲台による導入とは比べられないぐらい、簡単だ。

視野が狭いので、惑星を視野に入れるのは多少手こずるが、一旦視野に入れば後は簡単、微動ハンドルで簡単に中心に入れられる。



観測、撮影は長男と共にアパート屋上で行なった。

長男も、興味深そうにスクリーンに浮かび上がる惑星の姿を眺めていた。


今回は液晶で惑星の姿を眺めただけ、見ているのは木星ではなく、電子的に処理され液晶に映し出される木星の錯覚に過ぎない事になる。

音楽だと生演奏と録音音源再生の違いのようなものだろう。


次回は、息子にダイレクトに宇宙を旅してきた本物の光を、アイピース越しに見せてあげよう。


動画の一こまを切り出した



撮影は、パナソニックGH4を使用。

最低感度200で、絞りは半絞り絞ってf4.5に設定、露出は、1/30秒

この設定で、1分30秒の間の動画撮影を行った。


このGH4、EXテレコンという、ピクセル等倍で撮影が出来る機能が備わっている。

惑星を視野に入れてからは、EXテレコンを使用してHDで録画。

この機能、センサーの解像度を最大限に使えるので、惑星撮影ではとても重宝する。


録画中は、風が吹かない事を念じながら時間が来るのを待つのである。

風さえ吹かなければ、架台、三脚が弱くても結構いける。



RegiStaxによる画像処理


上の写真を見るとボヤッとしているが、実際液晶を覗いているともっと細かなところまで見えている。


液晶画面に映し出される映像の細部まで見えた瞬間の残像が、脳裏に焼きついていくのだろう。

だから、一こまを取り出しても、実際に見えているような姿は浮かび上がらない。



動画の撮影中、刻々と変化する木星の姿を、休む事無く撮影を続ける。

秒間30コマの連写撮影、1分30秒の間に2700枚の写真を撮った事になる。


液晶画面を覗いていると、時々ものすごく細かな模様が見える瞬間がある。

スタッキング処理は、そんな良く見えた部分ばかり、静止画として取り出し、重ねて合成、さらには淡い濃淡を強調する作業。


この処理をする事によって、動画撮影時には見られなかった細かな模様まで、浮かび上がってくるので、驚きである。



スタッキング処理には、以前にも使用したRegistax6というフリーソフトを使用。

無料のアプリがここまでやってくれるか!というぐらいの優れた、一押しアプリだ。

ただ表示は英語。

手作業でやっていては気の遠くなるような手間のかかる作業をあっという間に、自動的にこなしてくれる。


ただ、動画のファイル形式、AVIMPGのみの処理が可能なので、一旦動画のフォーマット形式を変える必要があったりする。


まだ使い方を完全に理解しているわけではなく、惑星の姿がより浮かび上がるように、いろいろと手探りで作業を行った。



再度、今回仕上げた木星

拡大撮影法、上下左右、東西南北が逆さまになっている。

とりあえずそのまま出した。


いろいろ試して、今回完成とした木星の画像



上の木星の写真を仕上げるため、同じ動画からスタッキング処理を何度か方法を変えて行った。

そのうち良さげの3枚をフォトショップでいろいろと試しながら、トーンの細部がより詳細に表示されるように合成作業を行った。


最終的に仕上がった画像が、上に掲載した木星の写真。



まとめ


荒削りではあるものの、木星表面のかなり細かな部分までの、濃淡がしっかりと出てくれた。


右下には大赤斑の姿。


木星表面が始めて望遠鏡で観測されて以来ずっと渦を巻き続ける大赤斑、地球の直径をはるかに越える超巨大台風にあたるもの。

今回の撮影と、画像処理でそんな大赤斑の姿も、かなり分かりやすく写ってくれた。



画面には、土星の姿


この500mm望遠レンズを使ったシステムでどこまで、木星の細部が表現できるか、しばらくいろいろ試そうと思っている。

きっと、もっと細かな模様が出てくれる事だろう。


さらにはサンニッパでも惑星のリベンジと、他の望遠レンズでも惑星の撮影が出来たらと思っている。



木星と比べるとずっと暗い土星の姿。このシステムだとちょっと暗かったのと、土星に視野を合わせた瞬間、赤道儀の追尾が止まってしまった。


バッテリーは十分充電していたのだが。

後々分かった事だが、接触不良と、バランス不良による負荷が原因だという事が分かった。



という事で、後日アイピースを10mmにし、拡大率を落とし明るくして、いろいろ設定を変えて再チャレンジしたのが下の写真。



カシーニの間隙もよく見えるようになった



まだまだ、細かなところまで写る手ごたえがあるので、いろいろと試しながら満足な仕上がりが得られるよう惑星撮影に挑戦しようと思っている。


やはり焦点距離300mmのサンニッパと比べると圧倒的な解像度を見せ付けてくれた500mmのゴーヨン。


販売からかなり経つレンズであるが、その解像度は必要十分。

オートフォーカスが必要でなければまだまだ使っていける超高性能レンズだという事が分かった。


それと、ビクセン社製のアイピース、NPL6mm、古いPL10mm(管理人が大昔の高校時代購入)と比べると、抜けのよさ、収差の少なさ、見やすさ、その高い性能には心底恐れ入った。


アイピースも、収差の発生源になっていた事を知るのであった。







最後までお読みいただきありがとうございました。


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