BLOG: Katte Kimama

  • 岩本貴志

サーモスタットの交換、エンジンパフォーマンス改善!(ランクル75型、1HZエンジン)

更新日:11月28日


アフリカ、ケニアを拠点に活動するカメラマンのブログへようこそ。

今回は愛車ランクルの、エンジン冷却システムの不具合を直したのでその事について。

ちなみに車は、1991年製トヨタ、ランドクルーザー、HZJ75、1HZディーゼルエンジン搭載車。乗り始めて20年になります。


管理人が趣味でやっている自己流修理、ご参考になればとブログに記しました。


実際、修理をされる方は自己責任でお願いします。


 


整備が生活の一環になっている愛車ランクル75、調子が良くなると走るには気持ちがいいが、いじりガイがなくなり、どうも寂しくなってくるのだ。

寂しくなる事もそれほど無いが。



「何か直せる事は無いかなー?」と、しばらく前からエンジンが温まりにくくなっきている事を感じていた。

子供を学校へ送るのに往復10キロ、標高差75メートル下って登るルートを走ってもエンジンは温まりきらない。

以前はもっと素早くエンジンは温まっていたはずだ。


10kmほど走行して、家にたどり着いてもまだ水温計の針は下の状態。


高低差75メートルを下って登って、10キロ走行してこの状態、出発前に数分の暖機もしている


長距離走行でも、水温系が表示するエンジン温度は以前より低め。


この水温計、適温は真ん中ではなく、左側1/4あたり。


冷却水がなかなか温まらないのは、なにかしら冷却系に問題がありそうだ。


考えられる原因は

  • エンジンが冷えている状態でもサーモスタットの弁が閉じきらないのか

  • サーモスタットの弁がすぐに開いてしまうのか

  • サーモスタットに異物が挟まって閉じきれない状態なのか


いずれにせよ疑われるのはサーモスタット。

エンジンが温まっていないにもかかわらず、サーモスタットが原因で冷却水が流れ過ぎている状態だ。



てな事で、サーモスタットを交換する事にした



エンジンの温度を随時調整してくれるサーモスタット。

適温付近で、弁を開閉し冷却水の流量を調整し、エンジン温度を適度に保ってくれている。

取り付けている、サーモスタットの開閉温度は、確か79℃だった気がする。



購入時には外されていたサーモスタット


20年前この車を購入した時に、サーモスタットは取り外された状態。

購入当初なかなかエンジン温度が上がらないので、サーモスタットが付けられていない事に気が付いた、平地を普通に走っていても、ゲージのCの位置に行くか行かないかの冷えた状態で、それ以上に上がらない。


当時、ケニアではオーバーヒートを防ぐ目的で、当たり前のように外されていたサーモスタット。今でも時々見受けられる。

サーモスタットの付いていない状態でも、上り坂などで負荷がかかっていれば、エンジンは温まり問題無くなるが、平地での走行、また特に長距離の下り坂などでは当然冷えすぎる。



説明書には、サーモスタットを外して絶対に走るな!と書いてある。

エンジンの燃焼もエンジンが温まって最適化されるわけで、温度が上がって燃焼効率が良くなり、パワーが出て、燃費も良くなる。さらにはエンジン内の磨耗も減り、寿命も延びる。


サーモスタットが無い状態では、冷却水は常にマックスフロー、エンジンは適温まで上がらず、パワーも出ず、燃費も悪くなるので、エンジンにとっても、財布にとって何もいい事は無さそうだ。


20年前の当時はすぐにサーモスタットを購入し取り付けた。

それ以来サーモスタットは交換していない。サファリ中、ラジエーターのトラブルが発生した際、一度取り外したぐらい。

この車、冷却系では18年ぐらい前に一度ウォーターポンプを交換している。

20年間がんばって作動しつづけてくれたサーモスタット君。

いずれにせよ、サーモスタットは寿命だろう。



カー用品横丁、ナイロビ、ケリニャガへ買い物へ


1HZエンジンのサーモスタット、管理人のものは30年前のものだが、現行のランクルHZJ79でも使われているエンジン。

それにしてもマイナーチェンジはされながら、30年以上同じエンジンで同じ車が販売され続けているのにはなかなか恐れ入ってしまう。

名車中の名車という事だろう。

我ながら納得。



サーモスタットは新しいものでも使えると見込んでサンプルは持たずに、ケリニャガ、カー用品横丁へ。

使えなければ返品交換すればいいのだ。


往復20kmの移動はいつものように自転車を利用!とにかく速くて気分も爽快!!!尚且つ、普段の運動不足までも解消してくれる。さらに、今だとシェディングの心配も無用になる! 


時間短縮と運動不足解消、尚且つ運賃無料の経費節減でとで、一石三鳥+1。


走行距離は往復20km、標高差は120m、行きはよいよい帰りは怖いルートで帰りはずっと上り坂。1時間程度のサイクリング、120mの標高差を登り切って家に帰りつく頃には、心地よい汗をかき、心肺にも程よい負荷がかかり続けるので、戻ってきた時の爽快感もまた格別。



購入したサーモスタット


運よく行き付けの、トヨタ系の部品を取り扱っている店にいきなり見つける事が出来た。

購入したのは下のサーモスタット。

現行ランクル70シリーズ1HZエンジンに取り付けられている、純正品。


82℃ トヨタ純正品を4000シリングで購入 4500円ぐらい?



この時、まだ調子の悪いと思われるサーモスタットは、取り外していない。

記憶だと79℃のような記憶があるが果たして記憶は正しいか。



同じエンジン用、きっと取り付けられるだろう。



調子の悪くなったサーモスタットを取り外す



愛車ランクルHZJ75、1HZエンジンのサーモスタットは、ラジエーターからエンジンへつながるホースパイプ、ちょうどエンジンの入り口部分に取り付けられている。


これら黄色い矢印で示したボルトとホースを取り外せば、サーモスタットは簡単に交換が可能。

サファリ中のトラブルでもスパナさえあれば手軽に、取り外す事が出来る。上の二本が12mm 下の1本が10mm。

1本のボルトとホースパイプは、車の底に潜って取り外す。




冷却系の管の中は冷却水で満たされているので、作業前には排水を忘れずに。

忘れて作業すると、びしょ濡れになってしまうのでご用心。

冷却水は再利用するので、きれいなたらいに排水。


また、不凍液として動植物に有害なエチレングリコール等も含まれているので、そこらへんに捨てるわけにもいかないな。



昔のバスクリン、メロンソーダ、そんな色の冷却液、駄菓子屋にも10円でこんな色をした水で溶かす粉状の飲み物があったのを思い出した。


排水が終わったところで、サーモスタットを覆うカバーのボルトとホースチューブを取り外していく。


車高が高い車なので、車の底に潜り込むのにもジャッキアップは不要。

エンジンルーム内も今風の車と違って、スカスカ。

あれを外すためにこれを外さなければ、とかもないので、どんな作業もとにかくやりやすい、これもまたこの車に愛着の湧く理由だろう。


ブッシュの中での不具合でも、すぐにトラブルシュート、そして修理が可能だ。

危険なABSもエアバックも無いし、コンピューター制御もまるっきし付いていない。

バッテリーのネガティブさえ外せば、安心して作業が行える。


結束バンドを緩めてチューブを取り外す




露になった古いサーモスタット


一見、異物も挟まっておらず問題は無さそうだけれど、20年間の開閉作業、疲れもドットたまってきたのだろう。


サーモスタット君、とにかくお疲れさん!



新旧サーモスタットを見比べた


新旧で形が大きく違っている。

ぱっと見でも分かるぐらいに、古い物の方が直径が大きい。

とりあえず、受け側の穴の直径よりも少しでも大きければ使えるだろう。


開閉温度は古いものが76℃、新しいものが82℃。

記憶の79℃は76℃の間違いだった。


1HZエンジンの適温が、ネットで見てみると86度とか88度とか書いてあるので、新しい物の方がエンジンを適温に保てそうだ。


古いサーモスタットは、以前から峠の長い下り坂ではエンジン温度が下がりすぎる感があった。


76℃から82℃に6℃上がる事によってそれも解消されるといいが。


新旧で形もけっこう変わった



新しい物の方が、直径は一回り小さくなった。

計測すればよかったな、手元に残っている古いものの直系は64mm、(後に開閉テストのために取り外した際計測、直径60mm)

開閉便の直径は同じぐらい。

素材はゴムだが、中に金属が入っているのだろうか?



横から見てみると


新しい物の方が細長く開閉ストロークは少し大きそうだ



古いサーモスタットはは、金属部品もゴム部品も肉厚で頑丈な作り。

新しくなって全長が少し伸びて、その分開閉ストロークは若干大きくなっているように見える。

ピストンは新しいほうが太い。


ま、そんな違い。


エンジンが熱くなり、サーモスタットが最大限に開いた時は、新しい物の方が、抵抗が少なく、冷却水の流量をより大きく稼げそうな気がする。(後に鍋水を張って中に入れ、熱して比べたら、実際新しいもののほうが弁が大きく開くのを確認。)



 

後に撮影した変化の様子をGIF画像にした


鍋に水を入れガスコンロで熱してから再び冷ましてサーモスタット開閉便の作動のテストを行なった。



古いほうは76℃ 新しいほうは82℃


古い76℃の方が当然速く開き始める、つづいて新しい82℃のサーモスタットの弁が開き出した。

さらに水を温め続け、弁がどこまで開くか確認。

新しいものの方が古いものよりも弁がより大きく開き、冷却水の流量をより多く確保出来そうだ。

熱湯を冷やしていくと、新しいものは素早く弁が閉じたが、古いものは76℃(推定)よりも温度が下がってもなかなか弁が閉じきらず。

エンジン温度がなかなか上がらないのは、弁が一度開くと、なかなか閉じきらないず冷却水が流れ続けるのが原因だったと確認した。



 


早速使えるかどうか、新しいサーモスタットを取り付け場所に合わせてみる。


かなりぎりぎり、



新しいサーモスタットをあてがってみると、サイズはぎりぎり使えるレベル。

シリコンガスケットをたっぷり使えばとりあえずは大丈夫だろう。(後に計測、受け側の穴の直径は59mm弱だった、ぎりぎり使えるレベル)



てな事で取り付け作業開始!


こびりついた古いシリコンを全て引き剥がし、金属部分が触れ合う部分は鉄ヤスリ、その他の場所の異物は、マイナスドライバー、金ノコ、紙やすりなどでそぎ落とす。



白い結晶は、きっと水漏れ停止剤、ストップリークの成分なのだろう



古い、若干ダメージのあるラジエーターを使用しているので、ストップリーク(ラジエーターの漏れ止め剤)を混ぜて使用している。


これを入れていると、冷却水が漏れ出してもすぐに漏れは止まってくれる。

それが原因か、漏れたところにこ白い結晶が出来て穴を防いでくれるのだろう。

結晶がへばりついている部分、けっこう漏れてはふさぎが繰り返されていたものと思われ、緑のコケのようなものまで発生していた。

コケ?


白い結晶をそぎ落とすと、金属部分はそれほどダメージは受けておらず、まだまだ使える。



接触面を整える



サーモスタットハウジングとエンジンの接触面をやすりできれいに整える。

ハウジングの素材はアルミなので、鉄のエンジンブロックと触れ合う部分は多少腐食も進行している。

これが異種金属接触腐食なのだろう。


鉄よりもアルミのほうがイオン化しやすく、プラスの電荷を帯びてどんどん腐食される。

冷却水に直接触れる、内側の腐食が進行している。

31年間でこの腐食。


サーモスタットの周囲についているゴム製ガスケットは使いまわした。


サーモスタットが遊ばないように、シリコンを多めに、塗りたくる。

カバー側にも塗りたくって、後はカバーとパイプを取り付けるだけ。



シリコンガスケット、カメラを直そうとしたら一度ポトリと落ちてしまった



順調と思いきや、手がカメラに触れ、それを直そうと手を離した隙に、シリコンを塗ったサーモスタットがパカッと外れ落ちてしまった。


すぐ下にあるオルタネーターが受け止めてくれたので、土の地面に落ちる事は無く一安心。

しかしながらシリコン表面はぐちゃぐちゃに。


カバー側にもシリコンを塗りたくったので、これ以上いじっても、どつぼにはまるだけと思い、この状態で元に戻した。


ジグ(小さな弁)の位置、真上に付けろと説明を見たが横につけてしまった。

アチャチャチャチャ!大丈夫か?そのうち直そう。

初期のモデルにはこのジグ付いていなかったようなので、それほどこだわる必要も無いのかもしれないが、気分は良くないな。


いずれにせよこのジグ、何のために付いているのだろうか?

上側にセットする理由も?

形的には金属弁がついていて、ラジエーター側からの流れはブロックしエンジン側から、逆流するための構造になっている。

エンジン始動直後、エンジンが冷えていてメインの弁が閉じている状態の時、エンジン側からの冷却水プレッシャーを逃がすためのものだろう、きっと。

上側に向けて付けるのはより温まった冷却水を逃がすため?

排水のためだったら下側に付ける筈だ。


適当ですまぬ。

そんな適当なブログです。


シリコンが乾く前にしっかりと締め付ける



サーモスタットハウジングを固定する3本のボルトをしっかりと締めて、ラジエーターをエンジンをつなぐホースパイプを取り付け、バンドをしっかりと絞めつけ、作業は完了。


あとは、ラジエーター下のドレインコックを閉めて、冷却水を元に戻すだけ。


マニュアルを見てみると、締め付けトルクは、60、70型ランクルでは18Nm、80型ランクルでは21Nmとなっている。

力ずくで締め付けるとオーバートルクになってしまうのでご用心。



とりあえずシリコンが乾くまでしばらく待つ事に。