BLOG: Katte Kimama

  • 岩本貴志

深堀りオールドレンズ、ニコン50mm f1.2、絞りと星像の関係 (f1.2開放からf16最小絞りまで)

更新日:10月21日


以前書いた50mmf1.2のブログに書き足そうかと思いましたが、古い記事だし、作例写真も多いので、新しくブログにまとめました。

南十字星を中心近くに据えて、開放絞りf1.2から最小絞りf16まで、写りの変化を比較検証してみました。


コンテンツ

  1. いまだ良く使うマニュアルレンズ、50mmf1.2

  2. 自動化が進化、もはやテクニックなどいらない?

  3. アフリカ、ケニアの売れ筋カメラ

  4. 星野写真で絞りと写りの変化を見比べた

  5. まずは開放f1.2から最小絞り16までノートリミングの作例を並べた。

  6. 作例を比較して

  7. ニコン、50mmf1.2の開放の、解像度を検証する

  8. 画面、長辺端の拡大像

  9. APSCサイズまでだったら、f2.0で十分行けそうだ。

  10. 開放付近、中心部の妙なけられ

  11. 総括として




 


いまだ良く使うマニュアルレンズ、50mmf1.2


このオールドレンズのAis50mmf1.2、古いマニュアルレンズだが良く写る。

写りは、逆光でフレアなど出やすく、最近のレンズにはかなわないが、線も細く、独特の発色とボケ、味わい深い描写をしてくれる。

もしかしたら、管理人がいちばん使うレンズの一本かもしれない。


40年も前のカメラとレンズだとは思えない、斬新なデザイン!?



F3とこの50mmの組み合わせ、ボディ含め、いちばんクールなデザインだと、いまだ思っている管理人。


このF3Tは今から30年前、中野のカメラ屋さんで中古で買ったもの。



 

自動化が進化、もはやテクニックなどいらない?


世の中自動化の嵐が吹きすさぶ。

カメラ業界も例に漏れず、一眼カメラがミラーレス化。

ニコンは一眼の開発を止めてしまうという。


日に日に進化するオートフォーカス。

ますます高性能化する手振れ補正。

被写体を把握するカメラ。


画面の隅から隅まで、人はともかく動物でも鳥でも、目にフォーカスを合わせ続けてしまうとか。とにかくものすごい。


カメラマンは技術的に何も考える必要が無くなった?

カメラを抱える力があれば、小さな子供でもピントの合った写真が簡単に撮れてしまう。

そんな時代だ。



趣味で撮る分、正直そこまで必要だとは思わない。

自分自身が楽しめるカメラで撮っていればいいのだ。魅力的な一眼やレンズ、中古市場にいっぱい出回っている。


オールドレンズを使ってフィルムで撮ったりするのも自由自在、色々なかたちで、写真は今でも楽しめる。

ま、フィルムは財布に厳しいな。


それにしても、ニコンが一眼レフをやめてしまうとは、とても悲しいのが本音。


長い間、ニコンのカメラを使い続けてきた管理人、ニコンにはけっこうな愛着を持っているのだ。

それだけ、ちょっと辛口で書いていく。



 

アフリカ、ケニアの売れ筋カメラ


現在管理人の住んでいるのは、ケニア共和国。

首都ナイロビには、カメラショップがいくつかある。


売られているカメラの多くがキャノン。ソニーやパナもあるが、キャノンが多いかな。残念ながらニコンはあまり見かけない。

最近、ニコンのサービスやショップがナイロビにも進出している。

でも、それ以外の電化製品店、カメラ専門店などに並んでいるカメラはキャノンばかり。


ニコン / マイクロフォーサーズ 電子接点付きマウントアダプターを探しているのだが見当たらない、キャノン用だと大抵在庫があるのだけれど。


いまだ、店で見かけるカメラの多くは、ミラーレスよりも一眼レフが多い。

工場を日本に設けているキャノン、廉価版の一眼カメラも日本製、ボディ下にはMADE IN JAPANとしっかりと印刷されている。それだけで大きなブランド力。

MADE IN JAPANだけで買っていくお客さんも多そうだ。

という事で、ケニアでは、メードインジャパンの廉価版の一眼レフが売れ筋のようだ。


ニコンは工場を日本から海外へと移転した上、廉価版の一眼レフカメラまでやめてしまった。

キャノンと全く逆を行っている。


一眼レフカメラ、まだまだメリットは多い。

どんな廉価版のかカメラでも、一眼ファインダーのタイムラグはゼロ!その点では、高級ミラーレスよりも有利なのだ。

動き物をファインダーに収め続けるには、廉価版の一眼に軍配が上がる。

全ての一眼レフ、液晶を使えばミラーレスと同様の使い方も出来るし。


ミラーレスのもう一つ大きな問題は、電池の問題。

高いリチウム電池、小さな電池1本で1万円近くする!

EV車によるリチウム需要の急増、リチウム電池、これからもっと高くなりそうだ。


そんな電池も、一眼レフだったら予備を買わずとも、フル充電さえしていれば、丸1日、余裕で持ってくれる。

ミラーレスだと、1本だけでは心細い。

5万円ぐらいのカメラを買うのに、予備電池が1万円もしたら、なかなかためらってしまう。


一度ナイロビのニコンショップで、ちょっとだけミラーレスのZfcを触らせてもらった。

それなりにデザインはいいと思ったのだが、ファインダータイムラグが大きい事に驚いた。

レンズの向こう側に手をかざして上下に素早く振ると、手が画面から外れる頃に見え始めるほどにタイムラグがある。

これだと、風でゆらゆら揺れる草の先端に止まるトンボなどの動きを追いかけるのも、しんどそうだ。

残念ながら、人に進められるカメラでないなと、感じ、ニコンファンとして残念に感じた。


一眼レフカメラ、D3000シリーズやD5000シリーズを販売中止した事に対しても、管理人は疑問を感じるのであった。

気になっていた高性能APS一眼の、D500までも止めてしまったのには驚いた。


いろんな厳しい事情もあるんだな、きっと。


あ、話がちょっとそれすぎた。

流れで、星の話になるかと思っていたが、話はあらぬ方向に。



 

星野写真で絞りと写りの変化を見比べた


今回は50mmf1.2の描写性能を見るため、星空を開放から最小絞りまで撮り比べた。

オールドレンズで、どれだけ最近のレンズに対抗出来るものなのか?


ただ、比べる新しいレンズは持っていないので、比べていないが。


今回の作例は南十字星(南十時座ですが、南十字星で統一します)をほぼ中心に撮影した星野写真。


Nikkor50mmf1.2で、開放f1.2から、最小絞りf16まで撮り比べてみた。


露出は30秒で統一、絞りの変化に合わせて開放f1.2ではISO200、最小絞りf16ではISO25600とISOを変化させ、絞りによる明るさの変化に対応した。

ISOの設定、f1.2とf1.4は若干正確ではないが。


露出は30秒、日周運動による流れを抑えるため、ケンコー・トキナー製のポタ赤、スカイメモで追尾撮影した。


f11のISO12800とf16のISO 25600はニコンD800Eの感度設定で+1と+2になる。

ノイズが多く、ダイナミックレンジも狭く、ホワイトバランスもかなりあやふやになる。


新しく現行モデルであるD850も手元にあるが、拡大するとモザイクノイズが目立つ。

それと比べて画質がいいD800Eを使用している。

画素数が高いからと、一概に画質がいいわけでないのだ。


今回の作例で、ISO変化の違いによるD800Eの写り、10年前のカメラの実力がどれほどのものかも見て頂きたい。



まずは開放f1.2から最小絞り16までノートリミングの作例を並べた。



開放f1.2だと、周辺光量の落ち込みかなり厳しい。

中心部の明るい星星、かなりずんぐりボッテリしている。


これでは、星野写真には使えないな。

これだけ見ると、性能の悪いしょぼしょぼレンズだな。



f1.4、半絞り絞っても、多少良くなるものの状況はあまりかわらない。

周辺部はまだ、リング状に流れている。



このレンズf2.0に絞ると、f1.2、f1.4と比べて別物レンズのように一気に引き締まる。

パッと見では、ほとんどの星が点像になる。

周辺光量落ちは、まだけっこう目立つ。



f2.8、天体写真で良く使う絞り設定。

感度と露出のバランスがいちばんいいかな?

赤道儀が無ければ大抵この設定。

星空を撮るの一番使使う絞り設定。

周辺はかなり暗くなる。




f4.0に絞ると、周辺光量落ちは、かなり軽減、ほとんど見えなくなった。

星は周辺部まで小さな点像に見える。




絞りf5.6、最高画質?周辺光量落ちは、ほとんど分からなくなった。


星も隅の隅まで小さな点像だ。


最も画質がいいかなと解像力が必要な普段の撮影でよく使っていた絞り値f5.6。

今回撮り比べてみて、実際最も画質がいい事を確認、納得がいった。




f5.6とほとんど違いは分からないが、感度を1段上げた分ノイズが増えて汚くなった。

画質的にメリットは見あたらない、星野写真でf8まで絞る事は無いだろう。




f11、マゼンダに色転び、ホワイトバランスはあまり関係なくなってきた。

星を撮るのにここまで絞る事はまず無いでしょ。

星野写真で、ここまで絞るメリットは見当たらない。




50mmf1.2の最小絞りf16とD800E最高感度ISO25600。

画質はさておき、回折でもっと画質が落ちるかと思っていたがそれ程に落ちないようだ。


このサイズだと分からないか。

感度が上がるというよりも、シャドーのしまりが無くなってよりガサガサになっただけ?

そんな感じかな。

もはやレンズについて、とやかく言える画質では無い。



 

作例を比較して


まず、上の作例から見比べていただきたいのは、レンズの周辺光量低下。

開放付近f1.2とf1.4だと、周辺はものすごく落ち込む。


f2.8でも最周辺でははっきりと落ち込むが、f4.0に絞ると、落ち込みはあまり目立たなくなり、f5.6でほとんど画面全域にわたってフラットとなる。


撮影地の画面下部、明るく見えるが、民家による光害が原因。


星像は、開放付近で中心部でも、かなりボッテリするが、f2.0に絞ると一気に引き締まる。


最高画質はf5.6、周辺光量もほとんど落ちない上、星像が中心から画面の端まで最も小さな点像で写ってくれる。



D800EのISO表記の最高感度はISO6400、そこから上は、+1、+2と表記されている。

最高感度の+2、2段分高感度のISO25600相当だが、ISO6400を超えるとホワイトバランスが大きく転び、ノイズも目立つので、実用でない事が分かる。


ISO以外のカメラの設定は全て一緒。

画像を出すにあたって整えたトーンなどの設定も全て統一している。


感度を統一するべきだけど。

あ、撮影時、レリーズ持ってなかったので、ごめんなさい。


さて次に見ていただきたいのは、開放画質。



 

ニコン、50mmf1.2の開放の、解像度を検証する


お次は上と同じ作例を拡大して検証する。

まずは画面短辺端あたりの画質から。


写真下の黄色い矢印の星。

昔々、天空に輝く星星をつなげて星座を作ったヨハン・バイエルはケンタウルンス座の恒星の一つとして設定したもの。

実際は、無数の星が集まって出来た状星団。ω(オメガ)星団と呼ぶ。


まずは、この部分を拡大して検証する。



このオメガ星団部分を拡大、レンズの解像度を検証


オメガ星団、黄色い矢印の部分をピクセル200%に拡大したのが下の写真。

オメガ星団は全天で最も明るく大きな球状星団。


ちなみに、南十字星の左に輝く明るい星の左側、矢印でAlpha Centauri アルファケンタウリは、ケンタウルス座でいちばん明るい星、地球から最も近い恒星系で三重連星。光の速さで4.3年の距離にある。

今回の記事では、あんまり関係ないな。



開放f1.2でここまで星像がシャープに出るのには驚いた



開放f1.2画面中心部から短辺の端辺り、多少ぼやけるが星像は点に近く、このレンズの優秀さがうかがえる。

オメガ星団も周辺部の星が、分離されて出ている。


開放f1.2でも、ポートレート等できれいな写真が撮れるのは、芯がしっかりしているからなんだな。


この部分f2.8に絞って撮ったのが下の写真



ISOが800となるので、ノイズが増えるが、2段半絞る事によって星像はよりシャープに。


星の周辺に広がる赤と青のフリンジは後処理で消す事は可能だが、そういった後処理は今回の作例では行なっていない。


解放絞りf1.2でも、中心から短辺端のこの辺りまで、それなりにシャープに出してくれる。


さて、画面のもっと外側は、どの程度に写るものか?



 

画面、長辺端の拡大像


次に画面長辺端辺りの画質を検証。

場所は、2段飛んで上の作例のピンクの矢印、画面右端の四角で囲った領域。


エーターカリーナ星雲部分をf1.2開放からf16最小絞りまで、ピクセル等倍にしたものを並べた。