BLOG: Katte Kimama

  • 岩本貴志

木星、ゴーヨン望遠レンズでの惑星撮影、その3

更新日:11月16日


アフリカ、ナイロビを拠点に活動するカメラマンのブログへようこそ。

今回は惑星撮影ねた、久々に木星、土星を撮影したので投稿します。



久々に望遠レンズを木星に向けた


スポットファインダーを地上遠景でしっかりと合わせるのだけれど、これだけ拡大すると視野に入れるのは一苦労、なかなか視野に入ってきてくれない。




 


最近、ゴーヨン望遠レンズで木星を撮影した過去ブログ閲覧数が増えた。木星を撮影している人がいるんだなーと、再び木星が撮りたくなった。

という事で、秋の夜長、といってもここはケニア、別に夜は長くならないが、久々に木星を撮影する事にした。


ナイロビの夜空、シーイングは日本よりは良いかと思うが、安定する日もそうそう多くないのだ。



望遠鏡での眼視のすすめ


木星、土星が夜空に輝いていると、心が躍り、望遠鏡で覗きたくなる。

写真でも美しく仕上げられる惑星像であるが、望遠鏡と接眼レンズを通して直接覗く惑星像はまた格別。

何時見ても感動を覚える。

液晶画面に表示される虚像をながめているのではなく、まさしく生の本物。

宇宙空間をはるばる飛んできた生の光が、いま眼球に焦点を結んでいるのだ。

惑星に限らず、夜空に輝く全ての星にいえる事。

生の光はやはり格別!

宇宙からのプラスのエネルギーが眼を通して体に吸収される感じがする。



望遠鏡を木星に焦点を合わせると、視野の中には木星の周囲には4つのガリレオ衛星が、よく見える。

ガリレオ衛星と、木星の表面の輝度差は大きいので写真だと、どちらかが明るくなるか暗くなってしまうが、望遠鏡像はどちらも、くっきりとよーく見える。

視野も広く、1点に集中すればどこまでも細かく観えてくる。

そんな感動も望遠鏡を直接覗いてこそ味わえる醍醐味。


そんな感動が第三者にも伝わればなーと惑星にカメラを向けるのだが、望遠鏡で確認出来なかった細かな模様も浮き上がってくるけれど、なかなか生の光で見る感動は伝わらない。


是非是非、望遠鏡で生の光を覗いて見る事をオススメする。

写真で見るのとは桁外れの宇宙の妄想が湧いてくる、これは管理人の話。

口径は8cmぐらいの望遠鏡であればけっこう感動できるのだ。


感じ方は人それぞれ。



さてさて本題の木星撮影


今回、撮影時の、シーイングはあまり良くなかったけれど、以前と比べるとかなり解像度は向上したかな。


以前と同様、光学系はニコンのマニュアル望遠レンズAis Nikkor 500mm f4P を使用。

当然ながら、500mmは超望遠でありながらも、惑星を撮るにはテレコンを重ねても物足りない。

という事で、拡大撮影法を使用。

詳しくは以前にブログで取り上げている。



拡大撮影方では下のアダプターを望遠レンズとカメラの間に挟んで拡大率を上げている。

筒の中には望遠鏡の接眼レンズが入っている。

しくみ的には、望遠鏡を覗く代わりに焦点面に、眼の代わりにカメラのセンサーに像を結ばせる。

上下左右は逆さになってしまうが。


ついでながら使用機材について、昔話と共にちょっとご紹介。



拡大撮影アダプター

惑星撮影に重宝する拡大撮影アダプター、NPL6mmを収納


左下のアイキャップ他飾りリングは、拡大アダプターにあたってしまうので取り外している。



望遠レンズ(望遠鏡)とカメラの間に接眼レンズを取り付けるための拡大撮影アダプター。

主レンズの焦点距離を、何倍にも拡大する事ができる、惑星撮影にはなかなか重宝する。


この拡大撮影アダプターは、遠い昔高校時代電車賃を節約するために、往復30キロばかりの道のりを自転車で買いに行ったもの。

望遠鏡屋さんの方に、「ご苦労さん!」と暖かいお茶を振舞われたのを思い出した。



分解するとこんな感じ


左がレンズ側



写真の接眼レンズは20mmだが、今回は6mmの焦点距離を使用。

ちょっと前、ビクセン製の望遠鏡を購入すると付属してきていた接眼レンズ。


下写真含め、新しいビクセンの接眼レンズ、ビクセンの友人、飲み友達のご好意で頂いた物。

ありがたく使わせてもらっている。



新旧接眼レンズ 20mm、5mm



新しい接眼レンズ、古いものとと比べると、覗きやすい上収差が少ないのがパッと見で分かるほど性能は良くなっている。

望遠鏡、接眼レンズの光学系やらコーティングに関しては、新しくなり、より洗練されている。


上写真手前の2本 K.20mmOr.5mmは、大昔、望遠鏡を購入したセットに付属していた接眼レンズ、単層コーティングで視野は40度。


右手前の高倍率接眼レンズ Or5mmなど、覗き口のレンズ径は4mm程度しかなく、眼を接眼レンズに触れるほどに近づけなければならない。使っていた望遠鏡はアクロマート屈折、口径 D102mm、焦点距離 f1000mm、このアイピースを使って倍率200倍、木星、土星などの惑星の観察、撮影で使っていたというか、つい最近まで撮影で使っていた。


覗き比べると、接眼レンズ由来の色収差もけっこう発生していた事がわかった。

新しい接眼レンズ、覗きやすく明るくクリア。

Or5mmとSLV5mmの覗き口の大きさの違いを見比べて頂ければ、その違いはお分かりいただけると思う。




望遠鏡代わりの望遠レンズ


天体望遠鏡も写真用の望遠レンズも目的が違えど焦点を結ぶという点では代わりがない。

ただ、使い勝手に関しては専用で無いので多少の工夫が必要だ。


望遠鏡のように拡大撮影法が使える望遠レンズの条件は、ピント調整が機械式で、レンズ後端から焦点まである程度距離のあるもの。

最近のミラーレス用レンズだとレンズ後端からすぐに焦点が結ばれてしまうので無限遠に焦点が合わないので使えない。

拡大撮影法で撮るには一眼レフ用のレンズに限られてくる。


ニコンの望遠レンズの後ろにアダプターを取り付けるためにリアキャップを利用している。

単純にに36.4mmの穴をくり抜いただけ。




追尾には、ビクセン、スーパーポラリス赤道儀を使用


こちら赤道儀は管理人が小学5年生の頃から使用している



このビクセン社製スーパーポラリス赤道儀、ヤフオクなどでいまだよく見かける。


発売から40年近く経過しているがビクともしない。ギアの噛み合わせなどの微調整も六角レンチで簡単に出来る上、グリスアップなども簡単に出来てしまう。

金属部品で、グリスアップなどのメンテナンスまで出来るので、壊れる要素がほとんど見当たらない。落としたりして強い衝撃を与えない限りいつまでも使えてしまう仕様。


赤経、赤緯ともに全周微動、手動ハンドルがあるので超便利。ウォームホイル、ギアは144山。

最近は省略される赤経、赤緯の目盛り環も付いてる。これがあると管理人テンションが上がる。

数字と目盛りは、掘り込まれているのでこすれて消える心配もない。

赤緯軸は2度間隔、赤経軸はバーニア目盛りで1分単位まで読み取れる。


ライトで照らす必要はあるが、暗い星雲、星団を見つけようとするときにはとっても重宝。今時は自動導入が一般的だが、手動で星図をなぞりながら、目的の天体に辿りつくのもなかなか乙なもの。


頭の中に星の地図が作られていく。


さらに、赤緯軸の部分を取り外す事によってポタ赤としても使える。


一般向けの量産機、値段の安さを考えると、名機の赤道儀だなと、最近よく思う。


新たに赤道儀が欲しいとお考えの方、値段もお手頃オススメの逸品。

ただ、赤経軸のモータードライブが付いていて、当然、ちゃんと作動するものが条件。


正真正銘、バブル時代突入の頃の日本製、当時は5年間保障。

無理なコスト削減もしていないので、最近の外国製のものよりもトラブルは少なく、長く使えるかもしれない。


管理人自身の独断なので、ご了承。




さて、今回撮影して仕上げたのが下の写真。

縞、帯の前回木星像よりも細かな濃淡が浮き上がった。


今回の木星像



10月7日の木星像。

空の大気、シーイングはそれほどよくなかったがここまでディーテルが出てくれた。

口径125mmの500mm望遠レンズ、最高のシーイングだと、どこまで詳細が写ってくれるのだろうか。


ニコンのマニュアル500mm望遠レンズ、こちらも古い望遠レンズだが、惑星を拡大撮影しても良く写ってくれるので、その秘められた解像度には恐れ入る。



撮影にはパナソニック GH4で、4K動画1分30秒間撮影

  • 感度 ISO 400

  • 開放 f 4.0

  • シャッター速度 1/15秒、

30Pでの撮影なので2フレームで1コマになる。

秒間15コマで90秒なので、合計1350フレームの情報量


画像処理にはいつもながらRegiStax6を使用、

今回新たに、天体画像処理で使えそうなソフトをネットで調べ、PIPPというソフトを使ってみたが、諧調飛びしてしまって上手くいかなかった。


設定が悪かったかと思うのだが今回は使うのをあきらめ、使ったのはRegiStax6フォトショップのみ。


撮影した動画は、RegiStax6でスタッキング処理。

Wavelet設定を変化させ数枚の画像を書き出し、最終的にフォトショップで合成処理して仕上げている。




数日後の木星像


10月12日の木星像。

この日は、木星の自転の様子が分かるように時間を置いて何枚も撮影した。

時折シーイングがよくなるのだが、なかなか長くは続かない。


10月7日よりも、シーイングは基本悪かったが、衛星エウロパとさらに木星表面にエウロパの影が映ってくれた。


ほぼ真正面から太陽が当たってるはずなのにもかかわらず、けっこう離れた位置に衛星エウロパの陰が木星表面に投影されている。


写真上の見かけよりもエウロパの位置は木星から離れているのだろう。


エウロパと木星表面に照らし出されるエウロパの陰



画像は、木星本体とエウロパの明るさはものすごく違うので、明るさが同等になるように画像処理している。


ガリレオ衛星は、内側からイオ、エウロパ、ガニメデ、カリストの順に木星の周りを公転している。

エウロパは内側から2番目、軌道半径は671,000kmで、木星の直径は143,000kmなので木星直径の4.7倍分も木星本体からこちら地球に近いという事になる。

写真だと木星のすぐ近くに見えるが、けっこう距離は離れていて、実際はかなりこちら地球側にある事になる。これで陰と衛星の位置にも納得。




この日の最高画質の木星像


上の写真から32分後、この日最高画質の木星像



撮影中いっとき風が和らぎ、シーイングも上々になった時に捉えたのが上の木星像。

縞、帯の細かな模様まで浮かび上がってきてくれた。

ちなみに縞が濃い部分、帯が明るい部分。



たった32分の経過で、大赤斑の位置が大きく移動、自転の速さを物語る。

たった9時間55分と非常に短い木星の自転周期、大赤斑の位置も見る見る移動していく。


衛星エウロパも、木星の巨大重力で公転周期は非常に速く、30分経過で位置の変化がわかるほど。



ナイロビの空も、シーイングの変化はけっこう激しく、その後シーイングは大きく悪化した。




木星の巨大さが分かりやすくなるように木星の手前に地球を置いてみた


地球の大きさは大赤斑の中に2~3個すっぽりと収まってしまうほど


木星の直径は地球の22倍以上、並べてみると改めて、でかいな!





いまだ使っているステラナビゲーター95


ガリレオ衛星の位置に関しては、ステラナビゲーター95でシュミレートして知った。

かなり古いソフト、撮影の構図設定や、彗星の起動計算などに、まだ現役で活躍してくれている。



ステラナビゲーター95に同日時を入力すると


ステラナビゲーター95のグラフィック、こんな感じで教えてくれる。



ガリレオ衛星の一つガニメデもエウロパのすぐ外側近くに。

シュミレートでも大赤斑も左から出てきているが、たまたまなのかな?



「いい加減に、27年前のソフト新しくしたらどうだい?」

「事は足りているので今のところはまだいいっす。」


日本にいると発生する物欲も、ナイロビで過ごしているとほとんど発生しないのだ。

いろんな、コマーシャルの罠にかからないからなのだな、きっと。



画面の木星の概要部分、ステラナビゲーター95の木星の衛星数は16となっている、今ウィキペディアで見てみると、小さな衛星まで含めると80個となっている。

時代を感じるな。



ガニメデが入り込むサイズにした


エウロパとガニメデ



当然ながらシュミレート通りにガニメデの姿。

直径はエウロパの1.7倍の直径、写真でもその分大きく写った。

このガニメデ、太陽系最大の衛星で直径は5262km、地球の半分弱の大きさだ。

実際水星よりも大きいが、質量は小さいらしい。




RegiStax6でHD画質で処理がうまくいかない


今回初めて、1920x1080のサイズでAVIに変換、RegiStax6で処理してみたが。

どうも、粒状がガサガサになってしまう。

理由は今のところ分からない。


今までRegiStax6でのFHDでの処理を受け付けてくれずあきらめていたのだが、音声情報を消せばスタッキング処理出来る事を知り試してみたが、ピクセルあたりの画質が悪くなってしまった。


上の写真10月12日19時55分と同じものを、FHDサイズで出力変換したものだが、明らかに画質が悪い。


このRegiStax6、トンデモ高性能のフリーソフト、複雑怪奇の処理をしてくれるのは分かるのだが、いまいち何をどう処理してくれているのかは分からない。

とりあえずは、いい結果が得られるまでいろいろ試すのが道のようだ。




ついでながら一昨年木星に追い抜かれた土星像




輪のディーティルがぐちゃぐちゃになってい