BLOG: Katte Kimama

岩本貴志の勝手気まま、ブログ

  • 岩本貴志

太陽撮影テクニック!太陽黒点撮影方法

更新日:6月23日

前回、無黒点太陽について取り上げました。


今回は、太陽の活動、結構簡単に観測する事が出来るので、そのやり方と、注意点などを取り上げる事にします。


※太陽の撮影は、機材の破損やら、失明の危険やらと非常に危険を伴います。

注意事項を十分理解のうえ、撮影に挑んでみてください。


目次

  1. なかなか出てこない太陽黒点

  2. 太陽の撮影方法

  3. 太陽撮影に適したレンズ

  4. 太陽、撮影画像

  5. さらに詳細な画像を求めて

  6. D800Eに負けたD850の描写性能

  7. なかなか出てこない太陽黒点

  8. 太陽を自ら観測するのは楽しいものだ。



1、なかなか出てこない太陽黒点

最近何かと話題に上がる、異常気象。

長雨等々、太陽の活動が、何らかの影響を与えている事は間違い無さそうだ。


とてつもないエネルギーを途切れる事無く地球に照射し続ける太陽。


地球太陽から受けるエネルギーは、たったの1時間ばかしで20世紀後半から全人類が消費してきたエネルギーに相当するほどだという。

母なる太陽と比べれば、人間の活動など取るに足りないのだろう。


そんなエネルギーの源、母なる太陽、活動のちょっとした変化も、地球には大きな気候の変動をもたらす事になるのは明白な事実。


もしこの母なる太陽がちょっとでも機嫌を損ねて、10パーセントでももその放出するエネルギーを変化させる事になれば地球はたまったものではないだろう。


幸い、太陽の機嫌が変わってもその変化は1パーセントほどに留まってくれているという。

地球上に生命が安定して繁栄しているのも、そのおかげだ。

宇宙には、そのエネルギーの放出量を大きく変化させる変光星は、星の数ほどあるのだ。


前回のブログに取り上げた通り、今、太陽の活動は非常に弱まっている。

11年周期の活動の変化と、100年周期の変動、その最も弱まった時期がいま重なっているのだ。


ケンコー・トキナー製 ND400とND16を重ねて使用、合計ND6400



2、太陽の撮影方法

太陽を撮影するには、ものすごく明るい被写体なので、NDフィルターが必須になる。


※絶対にNDフィルターを付けずに、光り輝く太陽に望遠レンズを向けてはならない!また、太陽を直接肉眼で見ないこと!


機材が壊れる原因になったり、目を傷めてしまう。

レンズで集光された太陽光は非常に危険!

NDフィルター無しでカメラを太陽に向けると、カメラの中が瞬く間に溶け出してしまう!


それらの危険を十分理解して、防御策さえしていれば、太陽の撮影は結構容易。

防御策を十分理解し講じていれば、危険ではない。


シャッタースピードも速いので、太陽表面の様子は手持ちで簡単に撮影する事が出来る。


NDフィルターの使用であるが、

太陽の輝度はものすごく高いので、相当に減光する必要がある!

合計ND3200以上をおすすめする。


管理人は、太陽を望遠レンズで撮影する時はND400ND16を重ねて使用している。

合計すると

400x16 = 6400

ND6400相当。

ND4001枚だけでは、とてもとても減光量が足りないので、NDフィルターを重ねて使う。


太陽に特化して撮影するのであれば、ND100000とかでもいいが、太陽専用フィルターとなってしまうので、他の撮影でほとんど応用できない。


太陽専用として使うのであれば、この右に出るフィルターはないが、他の撮影でも応用の利く、このND400ND162枚を重ねる方法を個人的オススメする。


重ねる時は、より大きく減光するフィルターを外側にするのが基本。

順番は、ND400→ND16→カメラレンズという具合だ。

内面反射を抑えるため、最初に減光してしまえ!という事。


600mm太陽撮影システム


3、太陽撮影に適したレンズ

しっかりとNDフィルターが取り付けられれば、どんなカメラ、レンズでも太陽は撮影出来る。ただ、黒点の変化の様子を詳細に撮ろうとすれば、望遠レンズが必要になってくる。

ズーム全盛の時代だが、黒点の日々の変化を撮る連続写真、いわゆるタイムラプス撮影となるので、焦点距離の固定され、確実に同じ焦点距離で撮れる短焦点望遠レンズをオススメする。

別にズームレンズでも全く問題は無い。

もう一つ短焦点レンズのメリットは、なんといってもレンズ枚数の少なさが上げられ、性能的にもあらゆる性能が、その焦点距離に最適化されているので、画質も安心できるレンズがほとんどだからだ。


管理人が太陽撮影にはほとんどの場合、ニコンAF300mmf4D EDにテレコンバーターを付けて使用するのがほとんど。


望遠300mmf42倍テレコン(AF-I TC-20E)を取り付けて600mmf8として使用。

感度はISO64で、絞りは一絞り絞ってf11、シャッター速度は1/6400秒


このシャッター速度であれば600mmでも手持ちが可能だ。


レンズ構成

ニコンのAF300mmf4Dレンズ構成は6群10枚

テレコンバーターのTC20E6群7枚

フィルターが2枚という事で2群2枚

フィルターを含めて合計、14群19枚構成


太陽のような高輝度の被写体を撮る時は、なるべく枚数は少ないほうがいい。

これは、全ての被写体に対していえる事か・・・


テレコンとフィルターを重ねても14群なのは、短焦点レンズは使用レンズが少ないから。

14群という事は反射面は28面


ちなみにしばらくお世話になった、タムロンの2世代目150-600mmのレンズ構成は13群21枚

フィルターを2枚重ねると、1群多くなる。

最近のズームレンズだと大体これぐらいの枚数使っている物が多い。


最近のレンズ、コーティングの性能が非常に優れ透過率が高くなっているので、そんなに気にする必要は無いが。

それでも、レンズ枚数、少なければいいに越したことはないが。



4、太陽、撮影画像

さてさて、上のシステムで撮影した、最新太陽の様子を紹介する。


7月12日現在も黒点は出てこない



拡大率も最近の高画素センサーであれば600mmでも結構細部まで映し出す事が出来る。


撮影のコツは何枚も撮る事。

太陽に熱せられた昼間の大気の状態は非常に不安定、一枚一枚写り方が違ってくる。

この揺らめきの状態は瞬間瞬間に変化しており、均一ではない。

太陽表面の一部が良くて、一部が悪い事もよくある。

という事で、より安定した一枚を撮るためには何枚も撮る必要がある。


それと後で表面の状態を強調したりするために、ビット数のなるべく多いRAWで撮る事をオススメする。


上の写真は午前中に撮った写真、だから左側が北になる。

下の写真は、太陽表面に合わせてコントラストを上げたもの。

上と同じ写真だ。


コントラストを上げると、太陽表面の活動の様子が見えてきた


小さくわかりずらいので、分かりやすいようにピクセル等倍まで拡大してみた。


微妙な濃淡が分かりやすくなった、ピクセル等倍


太陽表面、光球の様子が良く分かる。


光球6000度ほどで輝く熱いガス、写真から太陽表面がウジャウジャと対流している様子がみてとれる。

周辺部にいくほど暗く見えるのは光り輝く光球の外側にも、光を遮る半透明のガスがあるという証拠。このガスの層を彩層という。

光球のウジャウジャの模様、粒状斑というのだが、太陽の直径が地球の108個分という事をを考えると、その大きさは地球規模だという事が分かる。

こんな写真を見るだけでも、太陽活動のスケール、偉大さを感じる事が出来る。


デジタルの時代、このような手軽な機材(個人的感想)で太陽の様子をここまで観測できてしまう。


5、さらに詳細な画像を求めて

その後、太陽画像をより詳細に映し出すためにまず、テレコンバーターを、さらに2個付け足した。

レンズはニコン300mmf4(サンヨン)に変わりないが、TC-201(2xテレコン)にさらにAF-I TC-14E(1.4xテレコン)とTC-301(2xテレコン)を付け足したのだ。

これで、合計焦点距離は

300 x 2 x 2 x 1.4 = 1680 (mm)


さてさて、レンズの構成枚数は?

  • TC-301 5群5枚

  • AF-I TC14E 5群5枚

14群19枚にこれらのテレコンバーターを重ねると、レンズ構成は合計24群29枚になる。

ちなみにシグマの高性能高倍率ズーム60-600mmのレンズ構成は19群25枚だそうだ。

保護フィルターを付けると、20群26枚だ。


NDフィルターをはずすと、22群27枚なので、大きな違いは無い枚数。


それにしても24群は多ので、クリアに写るかちょっと心配だ。


トリプルテレコン、合計1680mm


この新しいシステム焦点距離1680mmで撮ると、フルサイズで太陽がちょうどいい大きさで写る。


さらに太陽画像を10枚ほど撮影し、そのうちの画質のいい6枚ほどをフォトショップ上でコンポジット、よりクリアな仕上がりにする方法を編み出した。

別に大した事ではないのだが、太陽表面の粒状斑などもよりくっきりと再現されるようになった。

その方法で撮影し、編集したのが下の画像。


D850単写の画像よりもずっときれいに仕上がった


テレコンによって拡大率を上げたのと、画像をコンポジットした事によって、前回撮影した画像よりも、ずっと詳細に写るようになった。


D800Eに負けたD850の描写性能

夜空の撮影に次いで、太陽の撮影でも、描写性能でD850と比べ、D800Eに軍配が上がった。

この2機種で撮り比べてみて分かったのだが、ハイライトの粘り、白とびのしにくさはD800EのほうがD850よりも2ランクほど上に感じた。(個人的感想)

D800Eのノイズは諧調飛びをあまり起こさないので、シットリ滑らかに被写体の詳細まで描写してくれる。

それに対して、D850はノイズに階調飛びが多く発生、がさがさと汚く再現される傾向があるので拡大すると汚くなってしまう事が分かった。


という事で、以降の太陽撮影はそれ以降ずっとD800Eを使用している。


なかなか出てこない太陽黒点

白斑は見られ、黒点が出てきそうな気配はあるのだが、ほとんど出てこない。

太陽活動、非常に弱い状態が続いている状態だ。

1755年から順番に1から数えらている太陽活動の周期的変化、第24期は2019年12月に終わったと発表されている。現在第25期が始まっているはずなのだが、太陽活動は依然低調のまま、ほとんど黒点が出てこない。

このまま低調が続くと、発表された時期は修正されるのかな?そんな事もあるのだろうか?


このまま太陽活動が低調だと、来年もまた、各国各地で長雨がつづく気がする。

ケニアも長雨が原因なのか、いくつもの湖の水位が上がり続け、周辺住民が避難したりと大変な事になっている。


異常気象の原因はいろいろと絡みあい、そうそう単純な事ではないだろう。

でも、地球にほとんどのエネルギーをもたらし、さらに太陽風によって超高エネルギーの宇宙線から地球を守ったりと、多くの恩恵をもたらしてくれている太陽。

何かしらの因果関係があるのは間違い無いだろう。


異常気象というが、数千年、数百万年とかのタイムスケールで見れば、別に異常でもなんでもないのだろうな。


太陽を自ら観測するのは楽しいものだ。


天文台の発表やら、ニュースなど待たずしても、晴れてさえいれば、自ら観測、確認出来る太陽活動の様子。

NDフィルターと望遠レンズがあれば簡単に撮影出来る太陽、チャレンジしてみてはいかがだろうか。

もしかしたら現在の地球の状況、400年前に起こった黒点がずっと現われなかったマウンダー極小期、第二段の始まりなのかもしれない。


もしそうだとすると、今のような天候不順も説明がつきそうだ。

そうだとすると、大雨が70年ばかし続く事になってしまうのかな?

世界最大のダム、大丈夫だろうか?


という事で、太陽活動が気になる今日この頃である。



※最後に再び、注意事項!


※太陽を撮影する際、絶対に太陽を直接肉眼で見ないこと!

  • NDフィルター無しでカメラを直接太陽に向けないこと!(カメラ内部が溶けてしまう!)

  • NDフィルターも最低合計、ND3200以上を取り付けること!

  • NDフィルターはレンズの先端、太陽側に取り付けるものを使用すること!(後部フィルターだけだと危険、レンズで集光された光はNDフィルターをも溶かしてしまう!)

  • NDフィルターを取り付けているからといっても、カメラを太陽に向け続けないこと!撮影が終わったらカメラを太陽からそらすこと!(有害な光が全て防がれているわけではない。)

  • もし、カメラを太陽に向け続けるのであれば、ND100000などの十二分に減光された、太陽専用フィルターを使うこと!


太陽を撮影するのには非常に危険が伴うので上にあげた点は厳守する事!


もし上のうち一つでも分からない事、十分理解出来ないのであれば、太陽の撮影は試みない事!

太陽を視野に入れる際、三脚を使っているのであれば、地面に投射されるカメラとレンズの影を見れば、太陽を見ずにとも簡単に視野の中に入れる事が出来る。


とにかく太陽は直接見ないこと!

見るのであれば日食グラスを使う事!