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岩本貴志の勝手気まま、ブログ

「都会のオオタカ、観察の記録」29、幼鳥とカラス

「都会に進出した猛禽、オオタカの物語」

幼鳥とからすのにらめっこ



このブログでは、2017年7月から2018年12月までの間、管理人の目の前で繰り広げられたオオタカの生き様、野生のドラマを紹介しています。



日々いろいろな事を学びながら成長する3羽の幼鳥。


今回は都会で生きていくために避けては通れないカラスとの関係を取り上げます。


この幼鳥たちが成長し、都会で上手く繁殖を成功させていくためにはまず、いかにカラスを攻略していくかを学ばなければなりません。


カラスを攻略できなければ、都会で生きれたとしても、子孫を残す事は到底出来ません。


子孫を残せない野生動物、そんな野生動物に生きている意味を見出すのは難しいでしょう。




都会では、避けて通れないカラスとの関係。


ついこの間まではこの地域のボスとして君臨していたカラス君。


そして、その王者の地位をカラスから奪い、今現在この地域の王者としてに君臨するオオタカ。


雛が巣立ってからしばらくの間、幼鳥たちの近くには殆ど近寄ってこなかったカラス君。


7月も半ばを過ぎるとカラスたちがオオタカたちにしきりにチャレンジしてくるようになってきた。


カラスが今までオオタカの森にやってこなかったのは、きっとカラス自身も子育てに忙しかったのと、オオタカの父親の目が怖かったのだろう。


カラスも自分たちの雛が巣立ちを終えたのか、子育てに一段落し、余裕が出来たようだ。


もしかしたら、オオタカのお父さんが、子供達の訓練のためにあえてカラスへの監視を緩めたのかもしれない。



オオタカの森にやってくるようになったカラスたち



兄弟同士では、盛んにやっていた追いかけっこ。


でも、カラスと追いかけっこした事は一度も無く、オオタカの幼鳥たちはカラスの事を殆ど知らない。


3羽の幼鳥たちは近寄ってくるカラスたちに最初のうちはおどおど、「何だ、あの黒いやつらは!」

と、おびえながら、しきりに近寄ってくるカラスたちの動きを観察をするのだった。



何気に上空低く飛び、オオタカの様子を視察するカラス君



カラスのほうも、しばらくオオタカを観察。


しばらく観察して、3羽のオオタカがまだ幼くあまり危険なものではないと、なめてかかってくるようになってきた。



追いかけてくる黒い鳥、飛ぶ能力は大した事無さそうだ



得体の知れない大きな黒い鳥がしつこく付きまとってくるので、オオタカの幼鳥たちも逃げないわけにはいかない。


初めのうちは恐れながら逃げ惑う幼鳥たち。


オオタカはしばらく逃げているうちに、カラスの追いかけてくるスピードは、いつも追いかけっこをしている兄弟たちよりもずっと遅く、鈍いものだと気づくのだった。



「なんだ、遅いなー!」「もっと速く追いかけてこいよ!」と。


「そんなスピードで追いかけて来られても、逃げ甲斐が無いよ!」



カラスのほうは必死になってスピードを上げているはずなのに、オオタカの幼鳥のスピードには到底及ばない。



カラスに追いかけられ、一旦森に逃げ込んだ



森に一旦逃げ込んだオオタカの幼鳥。


オオタカの幼鳥、カラスの飛行特性などがある程度分かったようだ。


今度は体を反転させ追いかける側にまわった。



今度はこっちが鬼だ



形勢は逆転、カラスはびっくりし、追いかけてくるオオタカら逃げようと必死になって逃げるのだった。


カラスの飛ぶスピードは、オオタカの相手にはならず、オオタカ幼鳥は「追いかけっこしても面白くないなー!」という感じだった。


カラスのスピードがあまりにも遅く面白くないのか、オオタカは追いかけるのをすぐにやめてしまった。



しつこいなー!



月を横目に電柱の上で、「お腹すいたなー」「お父さんまだかなー?」と父親がエサを持ってきてくれるのを待っていると、再びカラスがやってきた。


オオタカのほうは、またのろまのカラスがやってきたと、一旦視線をカラスに送ったが特に逃げようとはせず、ガン無視。


カラスは何か言いたげだったが、まわりに他のカラスもおらず、

単独では心細く、オオタカにかなわないと悟ったか、すぐにどこかに飛んで行ってしまった。


カラスとの接近で、オオタカの幼鳥たちはまた一つ自信を付けたようだ。



オオタカ三兄弟は、カラスのしつこさ、あきらめない執念。

今後、生涯のライバルとなるカラスの性格を少しずつ学んでいくのだった。


オオタカの幼鳥たちも、このカラスが今後の生活に大きく関与してくる事をうすうす気づいている事だろう。



長男はカラスを後ろから眺めて「不細工だなーあの羽並み!」



体の小さい長男、カラスと追いかけっこしても全く面白くない。

必死で逃げ回るのろまなカラスの後姿を、悠々と滑空しながら追いかけるのだった。


そんな逃げ惑うカラスの後姿を攻撃するわけでも無くじっくりと観察する長男の様子は、敵の飛行力学について多くの事を学んでいるようだ。



オオタカの長男は、

鳥の種別の飛行特性、飛行のくせ、敵のかわし方等等、いろんな飛行基礎講座を、こんな瞬間でも無駄にせず、学んでいるようだ。

将来、狩りの王者となる事も心得ているのだろう。



昆虫にでも興味を持つ長男、その興味はあらゆるものに及ぶようだ。


この長男はかなりIQが高そうだ。きっと立派な狩人となって子孫を反映させていく事だろう。



姉妹のほうはどうだろう?

既に王者の風格を身に着けた長女、カラスもその迫力に圧巻されるのだった



長女のほうといえば、とにかくカラスに一撃加えてやろうと必死にしつこくカラスを追いかける。


「私たちの生活の邪魔をするやつは、容赦しないわ!」「一撃加えてやるー!」


体の大きな長女、兄弟たちには追いかけっこで負けても、カラスには余裕で勝てるのだった。


その体から発せられる一撃は、体の大きい分破壊力も格別。

カラスも、万が一姉妹から一撃を喰らってしまってはただではすまないだろう。


カラスはこれ以上羽にダメージを受けないように、必死で逃げ惑うのだった。



オオタカの幼鳥たちは、カラスが大した事無い奴らだと、この段階では思っているようだ。


しかし、カラスが連携して群れで攻撃にやってくる事もあるという、カラスの本当の怖さはこの時は、まだ知る由もない。


カラスを通して、また一つ自信と知恵をつけたオオタカの幼鳥たち、また一歩大人に近づいた。



つづく



最後までお読みいただきありがとうございました。


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